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内閣支持率の上昇は一時的?

Japan In-depth / 2017年8月20日 23時21分

内閣支持率の上昇は一時的?

嶌信彦(ジャーナリスト)

「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」

【まとめ】

・都議選後、内閣支持率上昇するも不支持率も高い。

・改造内閣、清新さとインパクトに欠ける。

・経済再生政策を明確にし、実行せよ。

安倍首相は内閣改造直後の記者会見で、8秒間にわたり頭を下げた。その後、第一声として「国民の声に耳を澄まし、謙虚に丁寧に国民の負担に応えるため全力を尽くす」と語った。

写真1)出典:首相官邸HP

支持率の低下は、側近たちの失言や暴言、誠意のない答弁などに原因があるとされたが、実はその後わかってきたことは、側近たちの不誠実な態度もさることながら、本当の原因は安倍首相自身の驕りや上から見下すような発言、不適切な野次、疑惑や質問にまともに対応せずはぐらかすような答え方などに国民が嫌気、反発を覚えていたからだと判明してきたのだ。

図1)「主要メディア別内閣支持率の推移」 ©Japan In-depth編集部

少し前の安倍一強体制の時は、側近や党内も安倍氏に慮って直言する人は少なかったし、直言する人物は遠ざけられていたからますます安倍首相は自分が見えなくなっていたのだろう。

安倍氏の驕りをわからせたのは7月2日の都議選で史上最大ともいえる惨敗を喫したからだ。さすがにこの惨敗を総括するにあたり、自らの驕りや野党に対する答弁の不誠実さ、森友・加計学園問題などへの疑惑放置が敗北の原因と悟ったのだ。

写真2)東京都議選投票日前日 演説する安倍首相 ©Japan In-depth編集部

写真3)2017年7月1日 東京・秋葉原 ©Japan In-depth編集部

以来、発言のトーンは丁重になり「国民の信頼を回復するために一つ一つ結果を出す努力を積み重ね、緊張感をもって着実に政策を遂行する」と何度も約束した。

■  まだ不支持の方が上

問題はこれからだ。支持率はどの調査でも数ポイント上がったが、どこもまだ不支持の方が10ポイント前後高いのである。低姿勢で国民に頭を下げ今後の努力を約束したので、しばらく様子をみようというのが国民の一般的姿勢であり、本音だろう。その意味で、1~2ヵ月後の世論調査が安倍政治に対する本当の回答になろう。

数字が上がった要因は、安倍氏に批判的だった野田聖子、河野太郎議員などを内閣に取り込み“批判を聞く姿勢”を示したからだろう。私が主張した小泉進次郎官房長官は実現せず、党の副幹事長就任だったのでインパクトは少なかった。小泉純一郎内閣で安倍氏を幹事長に抜擢したようなサプライズはなかった。

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