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急加速するドイツ車EV戦略 

Japan In-depth / 2017年12月21日 11時39分

写真)フランクフルトモーターショー2017
出典)Internationale Automobil-Ausstellung

写真)フランクフルトモーターショー2017
出典)Internationale Automobil-Ausstellung

 

写真)フランクフルトモーター BMWのブース
出典)遠藤功治

 

そもそもドイツ勢をEVに走らせている元凶は、VWに代表される彼ら自身の“ディーゼル不正”であった。2015年に発覚したこの不正は未だに完全には決着をしておらず、今年8月に開催された“ディーゼルサミット”では、欧州域内で走行している500万台のディーゼル車のソフトを無償修理させられることが決議された。

写真)自動車産業協会(VDA)会長のマティアス・ウィスマンとフォルクス・ワーゲン(VW)最高責任者(CEO)のマティアス・ミュラー フランクフルトモーターショー2017にて
出典)photo by Matti Blume

 

ドイツ勢は元々、環境対策の切り札として、またトヨタを初めとする日本車のハイブリッド車に対抗する術として、ディーゼルエンジンに力を入れてきた。それがこの不正により欧米を中心にディーゼルへの不振が広がり、パリ協定の発効や世界的な環境規制重視の流れの中、イギリス・フランスが2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止するという宣言にまで至った。

フランスやスペインではディーゼル車の販売比率が、5年前の70%強から足元では50%以下にまで減少、そのドイツ国内でさえ、シュツットガルト(ダイムラーやポルシェの本社所在地)やミュンヘン(BMW本社所在地)市内での、ディーゼル車規制法案が出される羽目になった。

 

写真)ドイツ メルケル首相とマティアス・ウィスマン自動車産業協会(VDA)会長
フランクフルトモーターショー2017にて
出典)Internationale Automobil-Ausstellung

 

■独メーカーの悩み

だが興味深いことに、ガソリン車やディーゼル車を禁止すると宣言した英国やフランスに対し、ドイツは今のところ、何年までに禁止するといった宣言は、少なくとも公式的には出していない。実は出していないのではなく、出せないのである。

そしてその理由は日本にも共通するところが多い。第一の要因は雇用である。各国の総付加価値創出量に対する自動車業界の比率は、主要国の中で、ドイツが一番高く約21%、日本が2番目に高く約16%である。ちなみに米国・英国は14%、フランスは12%である。

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