急加速するドイツ車EV戦略
Japan In-depth / 2017年12月21日 11時39分
ただ現実は違う。世界の電力発電は、現在、原子力10%、火力67%、水力16%の比率と言われる。この条件下、“Well-to-Wheel”でのCO2排出量は、EVで130g/Km、ガソリン車で150g/Kmである。ただ現実的には、中国もインドも火力発電が全体の約75%でそれも大半が質の悪い石炭である。するとガソリン車よりもEV車が増えることで、CO2排出量は却って増加する。またEVの充電には夜間電力などが有効とされるが、充電が集中すると更に電力供給が一時的に増加する。
図) 日本のCO2排出係数及び国際比較
出典)国立環境研究所 ホームページより
中国なら砂漠で太陽発電をすればよいとする関係者もいるが、超長距離の送電では大幅な送電ロスと効率の低下が起こる。先の電池における素材コストもそうだが、果たして、中国やその他諸国のEV政策が拡大した際に、CO2排出量が現実問題として減少するのか、日本勢がEVにやや後ろ向きである理由はまさにここにあるのだが、ドイツ人は“ルールに従う”人種であり、中国や米国が敷く国策のルールに、真っ先に乗るのであろう。
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