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習近平氏、絶対権力集中の二律背反

Japan In-depth / 2018年3月7日 13時59分

習近平氏、絶対権力集中の二律背反

    宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2018#010 
2018年3月5-11日

 

【まとめ】

・習近平終身国家主席の「中国の夢」は構造改革次第。

・歴史は韻を踏む。右派台頭のイタリア総選挙後に大注目。

・関税問題ー最も暗いダークサイドを発揮し始めたトランプ政権。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合は、Japan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38797で記事をお読みください。】

 

 3月5日、中国の全人代は国家主席の三選を禁止する中国憲法の改正案を上程し、同憲法第79条第3項の「2期を超えて連続して就任することはできない」とする規定を削除して任期上限を廃止するための審議を始めた。習近平氏は「文革時代の毛沢東」を目指しているとの分析も一部で散見されるが、これは必ずしも正確ではない。

写真)建国宣言をする毛沢東
出典)パブリックドメイン

 

 文革前に権力基盤が弱体化していた毛沢東は、紅衛兵などを使いながら権力の再奪取を目指し文化大革命を始めた、というのが通説だ。これに対し、習氏は毛沢東の如く政治的に追い詰められていた訳ではない。彼は権力集中を国家経済改革を断行するための必要条件と考えたのだろう。問題はそれが十分条件ではないことだ。

 

 今回の憲法改正で習近平氏の権力基盤は一時的に強化されるが、そのような絶対的権力は何時まで続くのか。権力を集中しても、それに繋がる特定産業や国有企業で構造改革が実現しなければ、習氏が描いた「中国の夢」も絵に描いた餅となる。絶対的な権力集中と中国式「中所得国の罠」からの脱却、この二つをどう両立させるのか。

 

 今週筆者が最も関心を持つのは4日のイタリア総選挙の結果だ。ベルルスコーニ元首相率いる中道右派連合が下院で248-268議席、右派ポピュリズム政党「五つ星運動」が216-236議席、レンツィ前首相率いる中道左派連合が107-127議席を獲得する見込みとされ、3陣営のいずれもが過半数に届かない状況となった。

写真)ベルルスコーニ元首相 (EPP Summit 18 June 2009)
出典)Flickr  European People's Party

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