付け焼刃のカジノ依存症対策にNO!
Japan In-depth / 2018年7月16日 11時0分
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)
【まとめ】
・現状あがっているカジノの依存症対策は杜撰。
・日本は韓国以上ギャンブル場が既にあり韓国以上に対策が遅れている。
・付焼刃のカジノ依存症対策だけでカジノ法案を成立させるべきでない。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=41025でお読みください。】
西日本豪雨災害で日本中が心を痛めている中、よりによって国土交通大臣が国会に張り付きIR(カジノ)法案を通そうとしていることに、多くの国民から怒りの声が上がっているが、もちろん私もその一人である。
福祉を旗印に掲げ、つい昨年までカジノに対し慎重な構えを見せていた公明党が、そこまでしてこの法案をゴリ押しすることには正直驚いているが、どうしても通したいのであれば、自民党に対して、もう少しまともな依存症対策にするよう働きかけ改善を促すべきである。現状あがっているカジノの依存症対策がいかに杜撰なものであるか、検証したいと思う。
1、特定金融業務
この特定金融業務については前回の記事でも書いたが、デポジットを支払える富裕層に対し、2か月間無利子で貸し付けを行い、2か月以内に返済ができなかった場合には、14.6%の遅延損害金をつけて請求できるというものである。
シンガポールの場合は同じような仕組みの「ジャンケット」が取り入れられ、デポジットを日本円でおよそ800万円と設定しているので、日本でも同程度の金額が想定されるが、これは最悪の規定である。
大金を持ち歩けないために導入する制度というが、ギャンブルに熱くなった富裕層がのめり込むことは間違いない。ギャンブラーというのは、「今お金を突っ込んでも、いつか取り戻せる」というロマンスが手放せないからこそ、依存症にまで進行してしまうのである。
また、この制度を「世界的にも取り入れられている制度」との見解を示しているが、ここの部分だけ「世界水準」に合わせてきているのである。日本のギャンブル依存症対策は世界的に著しく遅れをとり、どこの国でも当然に行われている民間団体との連携などをないがしろにし、依存症対策費の拠出も明確にしないまま、ギャンブラーを熱くさせる制度だけ世界基準を取り入れていく日本政府の姿勢には空恐ろしさを感じる。
この記事に関連するニュース
-
貧乏体質に共通する「夜の悪い習慣」って?
オールアバウト / 2024年7月7日 21時20分
-
大谷翔平は水原一平氏の“症状”には言及せず、専門家が語る「依存症の人」への正しい接し方
週刊女性PRIME / 2024年6月15日 13時0分
-
「生活が苦しい」…韓国「当たりくじが出る」宝くじ売り場、思いをたくす人たちの列
KOREA WAVE / 2024年6月15日 13時0分
-
700億円規模のマネロングループ13人再逮捕 オンラインカジノが温床、本丸は特殊詐欺か
東スポWEB / 2024年6月12日 6時4分
-
ギャンブル依存で大変なアノ方に観てほしい映画を有村昆が厳選「中毒者が陥ってしまう心情がリアル」
エンタメNEXT / 2024年6月11日 18時15分
ランキング
-
1石丸伸二氏「国政も選択肢」=広島1区に言及―都知事選
時事通信 / 2024年7月7日 21時56分
-
2【都知事選】「石丸2位」の衝撃!Xトレンド入り「マジか」「ネットが力を」「かなりの力」驚き
日刊スポーツ / 2024年7月7日 20時31分
-
3都知事選で3選確実の小池百合子氏「東京大改革をバージョンアップさせる」…支援者ら前にあいさつ
読売新聞 / 2024年7月7日 20時30分
-
4円安・物価高の一因「異次元緩和」の後処理策「資産課税くらいやらないと」 石川和男が指摘
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年7月7日 9時0分
-
5小池氏が都知事3選=石丸、蓮舫氏ら破る―保育無償「制度設計を推進」
時事通信 / 2024年7月7日 23時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください