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陸自のAH-Xを分析する その1

Japan In-depth / 2018年11月30日 9時30分

 


実は現状陸自の偵察ヘリ部隊は攻撃ヘリよりも深刻な状態に陥っている。OH-1の飛行停止に加えて、本来OH-1で更新されるはずの旧式化したOH-6の更新計画はなく、OH-6の減退が進んでいる。1995年には189機あったOH-6が2017年には44機まで減少している。



写真)OH-1


出典)著者撮影


 


一部偵察ヘリの任務を置き換えるために無人偵察ヘリFFOS(Frying Forward Observation System)が2004年に導入され、その後改良型のFFRS(Flying Forward Reconnaissance System)が2010年から導入されたが、信頼性が低く、2011年に発生した東日本大震災、また2016年に発生した熊本の震災で一度も飛べず調達は停止されている。


 


東日本大震災後に陸自は新たな偵察用固定翼の無人機の導入を決定し、富士インバック社のB-1とボーイング社のスキャンイーグルが候補となった。本年1月にスキャンイーグルの採用が決定されている。だが調達はこれからで、陸自の航空偵察観測手段は殆ど無い状態が続く。


 


観測ヘリの仕事は観測や偵察だけではない。連絡や軽輸送など仕事がかなりのウェートを占めている。OH-6の減退が進めば連絡任務に支障を来すことなる。OH-6Dなどの機体の更新が喫緊に必要となるのは明白だ。むしろ攻撃ヘリの更新よりも観測ヘリの更新の方が喫緊の問題であると言えよう。


  


写真)OH-6


出典)著者撮影


 


川重もOH-1をベースした軽攻撃ヘリという案には価格や性能面で不安を持っているようだ。同社ではプランBとして、エアバスヘリと共同開発のBK117/H145Mの武装型を提案する模様だ。「武装キットはエアバスが開発したHフォースを予定している」と業界関係者は語る。だが陸幕は機種数を増やすことことには現状否定的である。


 


しかしながらもしUH-Xがキャンセルされるのであれば、BK117武装型にも目があるだろう。UH-Xがキャンセルされるならば計画自体が大きく遅延するので短期に既存機が選定される可能性が高い。既存機が選定されるのであればBK117はややペイロードが小さいもの、国内に生産整備基盤があるので、UH-Xとして選定される可能性が高い。そうであればBK117の武装型の提案は真実味を帯びてくる。


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