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F35は日本の防空に役立つか

Japan In-depth / 2018年12月24日 10時23分

F35Bはアメリカ海兵隊の強襲揚陸艦の艦上搭載機である垂直離着陸攻撃機AV-8B「HarrierⅡ」の後継で、日本では在日米軍海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に配備される。AV-8BのAとは「Attack 攻撃機」でありVは「VTOL / STOL短距離離陸・垂直着陸型」を表す。


強襲揚陸艦には航空母艦のような離陸時に飛行機を加速させるカタパルトや、着陸時に機体を強引に減速させて甲板に落とす設備を備えていないため、垂直に離着陸できるAV-8Bが艦載機として選ばれた。航空機は低速・低空の状態が最も重大事故が発生しやすい。高速であれば揚力があり、高空であれば地表に激突するまでに機体を立て直すなどの時間的余裕があるからだ。垂直に離着陸する時はまさに低速・低空の状態であり、英国の設計であった初代「Harrier」を米国航空機メーカーが大幅に再設計してかなり改善されたとはいえ、AV-8B「HarrierⅡ」はアメリカ軍のほかの戦闘機に比べると2倍から3倍、重大事故の多い機種である。※


垂直に離着陸できる機能を備えれば機体構造は複雑になり、操縦士の訓練も余分に必要になる。日本でも2016年9月22日(木)、海兵隊第542海兵攻撃飛行隊(英語版)所属のAV-8B戦闘攻撃機が嘉手納基地(沖縄県)を離陸した直後、沖縄県国頭郡国頭村の辺戸岬の東約153キロメートルの地点で墜落している。墜落について懸念すべきは、重大事故を起こす宿命的特徴を持つ垂直離着陸型の戦闘機・攻撃機である。実際のところMV-22B「オスプレイ」は米軍のほかの戦闘機やヘリコプターと比べて重大事故は少ない。



▲写真 AV-8B「HarrierⅡ」 出典:Dvids(Public Domain)


F35Cは米海軍・海兵隊のFA-18A-D Hornetの後継機であり、航空母艦で運用する艦上搭載機に要求される低速時での揚力の増加と安定性の強化のため、主翼・垂直尾翼・水平尾翼が大型化されている。先述した航空機は低速・低空の状態が最も重大事故が発生しやすいことへの対策である。離陸時は航空母艦のカタパルトにより加速しやすいよう、着陸時は機体制動(機体に備えたフックを母艦の甲板に張られたワイヤーに引っ掛けて強引に減速させること)による甲板への落下に耐えうるように、脚などの降着装置が強化されている。


F35C に交代されつつあるFA-18 Hornetもまた事故が多い。FA-18は戦闘機と攻撃機の両方の機能を備えているため、基本任務記号F「Fighter戦闘機」とA「Attack攻撃機」とを合わせたFA戦闘攻撃機と区分されている。


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