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F35は日本の防空に役立つか

Japan In-depth / 2018年12月24日 10時23分

FA-18は機体からの部品落下が2004年6月16日、11月29日と続き、12月7日には民家の屋根を損傷している。2007年2月27日、4月10日、2009年2月17日、2010年1月28日には民家の窓ガラスなどが損傷した。この年は3月4日にも部品落下事故を起こしている。2014年1月9日の部品落下事故では民家の柵の一部がへこみ、付近に停めていた乗用車の窓ガラスが破損した。そして、2016年12月7日には高知県土佐清水市沖約110キロメートルの海上に墜落する重大事故が発生した。2016年11月12日、12月6日と部品落下事故が発生し、今年の11月12月に連続しての墜落事故発生に至る。


2018年11月12日(月) 午前11時45分ごろ、フィリピン海を航行中の米海軍航空母艦「ロナルド・レーガン(CVN-76)」から離陸したFA-18がエンジントラブルを起こし、沖縄県南大東島の南西約140キロ、那覇市の東南東約290キロの海上に墜落した。


この事故により1972年の沖縄の日本復帰以降、沖縄県内で発生した米軍機の墜落事故は計50件に上った。それから1カ月と経たない12月6日、夜間の空中給油訓練を行うために在日米軍海兵隊岩国基地を離陸し、室戸沖へ向かっていた同基地所属のFA-18が、午前1時40分ごろKC130空中給油機と夜間の空中給油訓練中に接触し、高知県土佐清水市の足摺岬の東南方面に約100キロの海上に空中給油機と共に墜落した(高知海上保安部発表)。


米第3海兵遠征軍は9日、事故の深刻度を示す4分類のうち墜落など最も重大な事故である「クラスA」であると公表した。11日に防衛省は発生直後から第5管区海上保安本部(神戸)の巡視船などと共に続けていた行方不明者の捜索活動を打ち切った。行方不明のKC130空中給油機の搭乗員5人について有力な手掛かりがなく、米軍や関係機関と調整して判断したものである。FA-18の乗員2名は事故発生当日である6日中に救助されたが、そのうちの1人は射出式座席に固定された状態で死亡していた。通常は緊急脱出時に機体から射出される座席から搭乗員は自動的に分離されて落下傘により降下するしくみになっているが、故障によりこの機能が作動しなかったのではないかと推察されている。


現在の射出式座席は機体が地上で停止している高度0速度0の状態からでも、パラシュートが十分開く高度までパイロットを打ち上げる「ゼロ・ゼロ射出」を可能にしているため、脱出時の高度不足よりも射出式座席の故障である可能性が大きい。射出式座席の欠陥はF35でも問題視されたことがあった。KC130空中給油機には特別な改造をしていない限り射出式座席は装備されていない。輸送機、空中給油機などは脱出が困難であるほどの飛行速度では飛ばないためと、墜落時には大きな機体の衝突による地上の被害を最少にするため、機体を安全な地域へと向けてから脱出することを前提としていることによる。事故により墜落したKC130の乗員が5名とも行方不明であるのは、脱出する時間の余裕が無かったためではないか。


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