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F35は日本の防空に役立つか

Japan In-depth / 2018年12月24日 10時23分

日本の航空自衛隊はF16の本来持っていた戦闘機としての性能が台無しになった機体を基に支援戦闘機(攻撃機)として改造を加えF-2として採用してしまった。2重に性能が台無しになる改造をした上で、価格が大幅に高騰した機体を購入したことになる。戦闘機はF4の次にF15を採用した。旧ソ連のベレンコ中尉が搭乗機MiG-25Pを函館空港に強行着陸させた、ミグ25事件があったにもかかわらずである。この事件により西側が恐れていたMiG-25はさほど高性能ではなく、F15ほどの高性能は必要ないことが露呈していた。


現在、日本の航空自衛隊は中国の戦闘機による領空侵犯に悩まされ、戦闘機の数の不足が問題となっている。もしも、YF16戦闘機を採用していれば、同じ予算で倍の数を揃えることができたであろう。YF16戦闘機は1970年代から前世紀末まで世界で最も実際に役に立つ戦闘機であった。それを参考に開発されたものがスウェーデンのサーブ 39 グリペンである。軽戦闘機のサイズでありながら、制空戦闘・対地攻撃・偵察などを過不足なくこなすマルチロール機(多目的戦闘機)として進化した。維持費や訓練費用も含めて高いコストパフォーマンスを実現しているため、限られた予算で空軍を整備しなければならない国々で重宝されている。


2005年に改定された防衛大綱以降は、敵の航空機を撃墜する「要撃機」と地上戦闘を上空から支援する「支援戦闘機(自衛隊のみの呼称、海外の攻撃機に相当)」の区分が無くなったように、世界はマルチロール機の時代に入った。一つの機体を複数の用途に運用できれば操縦士の養成も整備も容易になる。軍事において技術の進化はコストパフォーマンスを常に意識して考えられるべきものである。


※SOFEX(The Special Operations Forces Exhibition and Conference):ヨルダンで開催される警察と軍の特殊部隊に焦点を当てた防衛・危機管理展示会。


EUROSATORY:フランスで開催される世界最大規模の防衛・危機管理展示会。


AAD (Africa Aerospace and Defense):南アフリカで2年おきに開催されるアフリカ航空宇宙防衛展。



▲写真 南アフリカ国防軍が装備する、スウェーデン サーブ社 JAS39 グリペン

軽戦闘機のサイズでありながら、制空戦闘・対地攻撃・偵察などを過不足なくこなすマルチロール機(多目的戦闘機) 出典:照井資規AAD2018


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