F35は日本の防空に役立つか
Japan In-depth / 2018年12月24日 10時23分
アフリカ大陸には、先端産業に不可欠な素材であるレアメタルが大量に埋蔵されており、日本はその多くをアフリカに依存している。また、アフリカ大陸の石油の埋蔵量は世界全体の10.0%に及ぶため、日本にとってアフリカ大陸は資源の宝庫であるとともに潜在的市場として重要である。これらの詳細はTACMEDAのブログを参照されたい。
1960年から70年にかけて、米国製兵器の最大の誤りと言われたのはM16小銃とF15戦闘機であった。当時の米国土防空に必要だったのはF4でもF15でもF14でもなく、小型軽量で武装は空中戦に絞ったもの、安価で数を揃えられる機体であった。そのあるべき姿として具現させたものがF16戦闘機の原型YF16である。
現代戦の兵器の中で、最も利益になるのはハイテク電子装置である。採用時の価格を高く設定できることに加え、メンテナンスにより導入後も長い年月、兵器メーカーを潤してくれるためである。F35戦闘機はF22よりも電子装備が充実していることがセールスポイントと言われるが、果たしてそれは国防のためのセールスポイントであろうか。現在の空中戦は各操縦士の名人芸ではなく、組織的に行うものである。過剰な電子装備を戦闘機の小さな機体に詰め込む必要は無い。
1960年代当時、アメリカで開発中であった防空戦闘機には、敵を遠方から発見するための大型レーダーが機首に搭載されるようになり、超音速の飛行速度も求めたためエンジンは2基必要になり必然的に機体は大型化し、価格は極めて高価に、複雑な電子装置の取り扱いを習得させるため、操縦士の養成期間も長くなった。こうして誕生したものがF4、F15、F14戦闘機である。必要以上に高性能を追求し、市場が求めるものより遥かに高機能な製品を作ってしまうことにより高価となり、結果、誰にも売れなくなることをビジネス用語で「黄金の差別化」と言う。
アメリカが開発中の戦闘機が大きな最高速度と複雑な電子装置を重視した黄金の差別化を追求したシリーズになってしまい、あまりに高価なため、戦闘機の数を揃えられない。複雑なため故障が多くて稼働率が低い、数が少なく故障が多いため操縦士の訓練が出来なくなることに危機感を感じたアメリカ空軍の軍人とメーカーが本来あるべき戦闘機として別個に開発したものがYF16戦闘機であった。
YF16は大型のレーダーは搭載せず電子装置は必要最小限、武装は機関砲と熱線追尾式のシンプルな撃ち離しミサイルのみ。最高速度はマッハ1.2とF15の半分以下、価格も重量もF15の約半分という軽量で小型な、従前の戦闘機より運用コストのかからない最初の米軍の戦闘機として具現化した。
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