「変わるアジアのパワーバランス」 Japan In-depth創刊5周年シンポ その2
Japan In-depth / 2018年12月30日 23時45分
Japan In-depth 編集部
【まとめ】
・朴氏「核と体制は表裏一体。朝鮮の非核化・平和ショーは賞味期限切れ」。
・元山での建設等は国際社会へのアピール。実際は国連の経済制裁が効き厳しい状況。
・島田氏「北への制裁を維持して抜け穴を防ぎ、拉致問題を日朝首脳会談により解決しなければ」と述べた。
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朴斗鎮氏(コリア国際研究所所長)は「朝鮮半島情勢の変化と展望」について話した。
▲写真 朴斗鎮コリア国際研究所所長 ©Japan In-depth編集部
「今、古森氏がお話しされたその構図の中で朝鮮半島も動いている。そういう視点で我々も分析をしている。私は日本の高等学校を卒業してから18歳以降ずっと朝鮮総連と関わりを持ってきた。朝鮮総連と関わりを持つという事は北朝鮮と関わりを持つということ。北の色々な面の活動、裏の活動も体験した。そういう意味では日本にも北朝鮮の専門家の方々は多いが、結局学問として研究している。
もちろん学問としても研究しなくてはいけないが、それでは北の本質は見分けられない。労働新聞を読んで北のことがわかるのであればそんな楽なことはない。18歳から今日77歳まで、約60年間あの国と関わりを持ちながらあの国をなんとか良い国にしたいと思いながら、色々な勉強をし分析をしてきた。そういう立場から言うと、北朝鮮については本質論がわからない限りあの国はよくわからないということ。3代にわたって結局1人で独裁をして、1人システム。これは絶対に変えない、変わらない。
そういう意味では北朝鮮の分析では専門家の方々がああだこうだと言うほど難しいことではない。あの体制は変わらない。あの体制を維持するためには核が必要である。つまり核とあの体制は表裏一体ということ。あの体制を止めなければ核はなくならないし、核をなくしたらあの体制も変化する。そういう相関関係にある。
ところが日本では、例えば金正恩が笑顔を見せると、『何かしてくれるのではないか?核を放棄するのではないか?アメリカ次第で核を放棄するのではないか?』などと言う専門家が多いが、そういう事は絶対にない。交渉の手段として核を使っても、自分から核兵器を捨てるという政策は北朝鮮にはない。だから、そこに幻想を持つと北朝鮮の策略に引っかかる。
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