「変わるアジアのパワーバランス」 Japan In-depth創刊5周年シンポ その3
Japan In-depth / 2019年1月12日 18時0分
Japan In-depth 編集部
【まとめ】
・安倍氏日中新3原則「競争から協調」とトランプ氏対中「協調から競合へ」発言は逆の動きにみえる。
・古森氏「中国は急に対日微笑外交を始めたようにみえるが、外交・経済・教育面で実際の政策は変わっていない」
・島田氏「トランプとペンスの対中発言の役割分担のように、日本もナンバーツーの人がもっと発言すべき。」
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安倍: 中谷さんに1つお聞きしたい。先ほど新大綱の話があった。党でも議論しておられる。政府とコミュニケーションをとる中で、政府与党に危機認識はあるのか。
▲写真 安倍宏行編集長、桑原りさ(MC)©Japan In-depth編集部
中谷: 朝鮮半島の安全保障、特に米朝交渉について結果を注視している。我々が恐れるのはパワーバランスが崩れてしまうこと。在韓米軍の役割はただ単に北朝鮮のみならず、ロシアも中国もにらんだ大事な存在であることだ。仮に38度線の交渉をめぐって在韓米軍の存在が弱くなるということになれば、日本にとっては良くない。日米間ではしっかり協議をしており、信頼できるマイク・ポンペオ国務長官がいる限り、大丈夫だと思うが、米国にもしっかりとした認識を持ってもらいたい。
ポンペオ国務長官は真っ先に日本にきて、日本の米軍に対する考え方や支援など過去の経緯について「世界のお手本になる」ということを言って帰ったが、そういう点では情勢の重要性について非常に熟知しており、安心している。とにかく米朝交渉の成り行きを見守っているということだ。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
安倍: 日本とアメリカの認識はゆるぎないものだと思ってよいのか。
中谷: はい。トランプ・安倍関係は世界で最も密な関係で、電話会談も非常に頻繁に行っている。トランプ大統領も安倍首相の言うことなら聞くというように、非常に良好な関係を構築している。
安倍: 安倍首相は中国の習近平国家主席と会談を持った。その中で「競争から協調へ」「脅威でなくパートナー」「自由で公正な貿易体制の推進」という3つの新原則を確認したわけだが、そういう形で中国に接近していく日本の姿勢は、対北朝鮮の観点で良いことなのか?
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