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米、中国の膨張を抑える決意

Japan In-depth / 2019年6月14日 23時0分

また古森氏は、近年の中国では、共産党政権に批判的な勢力への弾圧が強化され、習近平国家主席の任期が無期限になったことも指摘。これらの経緯を踏まえて、トランプ政権は関与政権から舵を切っているのだとの見解を示した。



▲画像 古森義久氏 ©Japan In-depth編集部


 


■トランプ政権の対中政策


古森氏は、アメリカの対中政策を支える3重要文書を示して、政策の具体的な内容を説明した。


 


1.「国家安全保障戦略」


「国家安全保障戦略」は、トランプ大統領が2017年12月に発表した、外交・軍事戦略の指針。古森氏は、「中国はアメリカ主導の国際秩序への最大の挑戦者だ、だから、長期的には中国の膨張を抑える対決の道を選ぶ、ということを言っている。」と説明し、文書の一部を紹介した。


「中国は、インド太平洋地域でアメリカに取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしている。中国は自国の野望を他の諸国にも利益をもたらすと宣伝して進めているけれど、現実には多くの国の主権を圧縮し中国の主権を広げることになっている」


「ここ数十年にわたりアメリカの対中政策は、中国の台頭と既成の国際秩序への参加を支援すれば中国を自由化できるという考え方に基礎を置いてきた。だがこのアメリカの期待とは正反対に、中国は他の諸国の主権を侵害するような方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は標的とする他の諸国の情報を、かつてない規模で取得し、悪用し、自国の汚職や国民監視をも含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散してきた」


「中国は、全世界でも米国に次ぐ強力で大規模な軍隊を築いている。その核戦力は拡張し多様化している。軍事近代化の大きな部分はアメリカの軍事や経済からの収奪の結果である。中国の急速な軍事増強の主要目的の1つは、アメリカのアジア地域へのアクセスを制限し、中国側に行動の自由を与えることである。」


 


2.「世界の脅威評価」


「世界の脅威評価」は、アメリカにとって重要な世界の脅威をまとめた、情報機関による年次報告である。古森氏は、「第二次世界大戦以来、今が一番大規模戦争が起きやすい時期だと言っている。」と述べ、内容について、国家情報会議のコーツ長官の言葉を紹介した。


コーツ国家情報長官:『中国は、アメリカの国際的な影響力や魅力、実際の力を減らそうと意図している。そのために、年来のアメリカの同盟国や友好国の側の、アメリカの現在の国際的な秩序の維持や防衛制約の保持に対する不信を煽って、対米政策を変えさせようと企図している。中国とロシアは、この野望の実現のために軍事力を含むあらゆるパワーを使い、国際社会の年来の体制と安定を崩し、規則に基づく国際秩序を侵食しようとする。』


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