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「国際薬物乱用・不正取引防止デー」厚労省への要望書

Japan In-depth / 2019年7月26日 18時4分

実際に、各地で薬物依存症リハビリ施設への反対運動が起きていますし、薬物を使用した芸能人を寄ってたかってさらし者にし、出演作品の回収など過剰な自粛も起きています。ゼッタイ排除の動きです。


こうして、薬物乱用撲滅の名のもとに、乱用者への過剰な社会的制裁・排除が助長されています。それは実際に、早期相談・治療・回復・社会復帰を阻害する大きな要因となっているのです。


これは、国連をはじめとする世界の流れ――薬物問題を健康問題ととらえ、非犯罪化して重篤化を防止――にも反します。わが国で2016年に施行された「再犯防止推進法」――社会において孤立することなく、国民の理解と協力を得て再び社会を構成する一員となることを支援することが目的――にも反するものです。


上記の理由で、私たちは以下の対応を強く求めます。


 



1.2019年「ダメ。ゼッタイ。普及運動」ポスターの掲示中止。


2.来年度以降は「ダメ。ゼッタイ。」の路線を見直し、相談や回復につながるようなポスターを作成・掲示すること。


3.International Day Against Drug Abuse and Illicit Traffickingを、「国際麻薬乱用撲滅デー」ではなく、正しく「国際薬物乱用・不正取引防止デー」と訳すこと。


 


とした。そして、2019/7/19に、この要望書を手渡すため厚生労働省に出向くこととなった。この会合に、厚生労働省側としては、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課(以下 監麻課と記す)の成嶋伸浩課長補佐、と同課澤田薫啓発推進係長、そして社会・援護局 障害保健福祉部 依存症対策推進室からもお二人が参加された。


要望書を手渡す前に調べたところ「ダメ。ゼッタイ。普及運動」のポスターに関してイニシアチブをとっているのは監麻課であって、依存症対策推進室には連携がなかったことがわかっていたが、今回あえて依存症対策推進室にも同席して頂いた。


この監麻課の「ダメ。ゼッタイ。普及運動」の問題点は、一次予防(病気にならない、未然に防ぐ)を強調し続けてきたばかりに、その弊害の方が大きくなってきているにも関わらず、その見直しがなされないことである。というよりも今回、監麻課との面会が実現してわかったことは、監麻課は二次予防(早期発見・介入、病気をくい止める)、三次予防(再発予防)の知識や配慮など全く持っていないという驚愕の事実であった。


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