「国際薬物乱用・不正取引防止デー」厚労省への要望書
Japan In-depth / 2019年7月26日 18時4分
だからこそ、「それでも手を出す人達がいる、その背景には何があるのか?」「その人達を救うためには何をすればよいのか?」といった抜本的な対処の方が、よほど成果があがるのである。
実際、借金問題から振り込め詐欺に加担してしまうギャンブル依存症者を数多く見てきたし、万引きにも依存症があることなど元マラソンランナーの原裕美子さんの事件などで知られるようになった。そして、これらの場合は刑罰だけではなく治療にも繋げるという流れになっている。
その上、違法薬物の自己使用者へのスティグマを強めれば強めるほど、暴力団の思うつぼで、止められない人達は高い値段を払っても、どんな手を使っても手に入れようとしてしまう。これは禁酒法の時代を振り返ってみればわかることで、あの時代マフィアは大儲けすることになった。本当に暴力団排除を考えるのなら、流通ルートを断つことと、末端の使用者を「回復させる」ことが重要である。
今回の会合がすすむ中、監麻課のかたくなな姿勢に対し、日頃から依存症対策で協働している依存症対策推進室から我々の想いを仲介してくれるような発言があった。「ダメ。ゼッタイ。運動は、もともとは『Yes to Life.No to Drugs』という言葉で、日本ではYes to Life.の部分がなくなり、「ダメ。ゼッタイ」と翻訳されたが、「破滅」ではなくYes to Lifeの部分を入れた方がいいのではないか?」「『ダメ。ゼッタイ』と言っても、それでも使ってしまう高リスクの人達に届くメッセージを入れた方が良いのではないか。」「『ダメ。ゼッタイ』を強調することで、高リスクの子供達を社会から排除してしまい、ますます薬を使ってしまう。そうなると暴力団排除にも繋がらない。むしろ暴力団に近づいてしまう。」「『ダメ。ゼッタイ』をさらに進めた形があってもいいのではないか?」「日本は違法薬物の生涯経験率が低いといわれているけれども、その低いと言われている人達にも届くメッセージの方が更によい。」ということですね?と、こちらは実に端的でわかりやすく、我々の気持ちを確認して下さり、頼もしく思った。
私からも「こうやって、『ダメ。ゼッタイ』と、監麻課に強調されることで、ダメなものに手をだしたのだから仕方がない・・・と排除されていく若者達、あまりに頑なな皆さんのやり方で毎年何人もの仲間達が絶望し命を落としているのに、それでも『絶対にやり方は変えない』と言いはられるのはなぜでしょうか?私たちの仲間の命が皆さんにあまりに軽く扱われていると感じます。そういった人達に対してはどういうお考えがあるのでしょうか?」と質問した。
この記事に関連するニュース
-
【頭痛診療にもDXの波】薬物乱用頭痛のエビデンスデータの可視化と疾患予測モデルの開発に成功
PR TIMES / 2024年7月3日 16時15分
-
医薬品の販売規制案にドラッグストア反発の事情 市販薬のオーバードーズ問題に有効な規制とは
東洋経済オンライン / 2024年7月2日 12時0分
-
OTC販売支援ツールに新機能「乱用防止のためのゲートキーパー機能」を実装!
PR TIMES / 2024年6月25日 14時15分
-
子供たちが薬物乱用防止呼びかけ 「薬物乱用はダメ。ゼッタイ。」
RKB毎日放送 / 2024年6月23日 14時57分
-
「ダメ。ゼッタイ。」より「徐々に徐々に」 諸外国では当たり前の「ハームリダクション」という考え方
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年6月15日 9時0分
ランキング
-
1何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
-
2全自衛隊でずさん運用疑い 近く処分、数十人規模か
共同通信 / 2024年7月6日 16時44分
-
3「畑を途中でやめると、住民から嫌われることも…」地方移住5回の49歳男性が語る、“田舎暮らし”で心が折れた瞬間
文春オンライン / 2024年7月6日 6時0分
-
4「今日はやめよう、終わり」説明の場に係長不在で立腹し面談1分、長谷川岳参院議員“威圧的言動”新たに…要職就任で挨拶に行くと「遅いのは犯罪、帰って」「反省文」も
北海道放送 / 2024年7月6日 9時9分
-
5泉・立憲民主代表の交代論がささやかれるワケ 都知事選敗北なら責任論拡大、険しさ増す前途
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)