韓国優遇除外「出口戦略授けた」猪口邦子参議院議員
Japan In-depth / 2019年8月16日 23時0分
一方で、「韓国の企業が貿易を申請する時、全部個別に審査しなくてはならなくなる。輸出はするが手続きがより細かくなるから、貿易の量的な部分に影響がでる可能性がある。」と述べ、対韓国輸出について一定の影響はあるとの見通しを述べた。
「ホワイト国」制度の意義について猪口氏は「目的は冷戦期にさかのぼる。ココム、チンコムといった制度(注)の流れの中にあって、安全保障上機微なものが東側陣営に流出しないようにするという発想から来ている。冷戦が終わって何十年も経つ(現在では)、テロリストらに(安全保障上問題のある物資が)渡らないようにする、という考え。輸出管理の制度は安全保障のひとつの軸をなしている。武器が製造できなければ戦争能力もそがれていく。」とし、「ホワイト国」制度はあくまで自由主義社会に対するテロリストらの攻撃を未然に防ぐために作られたものであることを説明し、その意義を強調した。
(注:ココム=COCOM=Coordinating Committee for Export to Communist Area=対共産圏輸出統制委員会
チンコム=CHINCOM=China Committee=対中国輸出統制委員会)
▷自由貿易体制と輸出管理
猪口氏は戦後の貿易体制について3つの大原則がある、と説く。それが、「自由、無差別、多角主義」だ。GATT( General Agreement on Tariffs and Trade:関税貿易に関する一般協定)から始まり、今のWTOの基本思想原則である。
猪口氏は、「WTOを通じてこの自由貿易体制を推進できるのも、各国が輸入管理の問題に対応できているからだ。つまり無差別原則だから、お宅の国は機微な物質の輸出管理が不十分なので、輸出するにはものすごいハードルを課しますよ、という考え方をWTOはとらない。例えば安全基準を設けて、『あなたのところで作った缶詰は衛生基準が十分でないから輸入しませんよ』といったことは無差別主義に反する。」
猪口氏によれば、安全保障上の要素については、輸出管理という別レジームできちんとコントロールしている。1つは、Nuclear Suppliers(ニュークリアサプライアーズ)という、核分裂性物質に関する輸出規制のグループ。もう一つは化学兵器禁止条約に関わる輸出規制のオーストラリア・グループ。もう一つはミサイル技術つまり運搬手段に関する輸出規制のグループ。ここまでが大量破壊兵器系。最後の4つ目が、最近より重くなっている、ワッセナーグループ。通常兵器の技術および物質に関する輸出管理の体制である。
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