GSOMIA破棄「拒否的抑止考える段階」長島昭久衆議院議員
Japan In-depth / 2019年9月2日 11時0分
▲写真 ©Japan In-depth編集部
■ 日本の弾道ミサイル防衛システムへの影響
安倍: そういう北朝鮮の7回にわたるこの短距離ミサイルの発射、さまざまな実験をしていると見られている。日本の弾道ミサイル防衛システムにも何らかの影響があるのでは?
長島: 影響あるとみている。今までの我々が対応してきた弾道ミサイルと言うのは、放物線を描いて角度が決まっているもので、(従来の弾道ミサイル防衛システムは)それを打ち落とすもの。しかし今度のミサイルはレーダーに映りにくく、最後の段階でちょっとマヌーバー(Maneuver:操る)するとも言われている。そうなってくると既存のミサイルディフェンス、つまりSM-3(Standard Missile-3:スタンダードミサイル3型)で本当に打ち落とせるのか、あるいは終末段階に低い高度で飛んで来た場合、PAC3(地対空誘導弾パトリオット3)で本当に打ち落とせるのか。根本的に日米のミサイル防衛システムを考え直さなければいけない。
▲写真 SM-3ブロックⅠB(於:イージス護衛艦「あたご」平成30年9月12日ハワイ・カウアイ島沖)出典:海上自衛隊
▲写真 PAC3 出典:航空自衛隊
特にこれから導入するイージスアショア(陸上型イージス)は普通のミッドコース(編集部注:中間段階 弾道ミサイルが宇宙空間を慣性飛行している段階)が大気圏外にあることを念頭にしているが、大気圏外でない、まさに大気圏を飛んでくるものをイージスアショアで対応できるのか。個人的には仕切り直して、より高性能なイージスアショアを導入したほうが将来的にはいいかなと思う。もう決めたことなのでしょうがないが。
▲図 弾道ミサイル攻撃への対応 出典:海上自衛隊
安倍: もう秋田県はすっかり反対ムードですが。
長島: ただ本当に日本の国防を考えたときに、何がいいのか、ちょっと立ち止まって考える良いきっかけなんじゃないかなと思う。
安倍: 次はミサイルを打てなくする、すなわち無力化する事も考える必要がある。
長島: そう、それが大事。確かにミサイル防衛は大事だが、これは相当な技術がいる。打ち落とせる確率からすると、策源地で(ミサイルを)打つ前、あるいは移動している時か(発射台を)立てた時、あるいはブースト段階のまだ遅い時、この辺を狙える装備があった方がより確実だ。攻撃兵器のように見えるかもしれないが、これはディフェンスシステムだから。ブースト段階での迎撃も拒否的な抑止のカテゴリに入りますから。急いだ方がいいと思う。
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