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沢尻エリカさんに社会はどう対応すべきか

Japan In-depth / 2019年11月24日 15時14分

 


1.圧倒的な発信力


芸能界で依存症界に貢献して下さった第一人者と言えば何と言ってもマーシーさんこと田代まさしさんである。田代さんは、「病気じゃない。自分で頑張る!」とおっしゃった「否認」の時代も長かったが、2014年に出所されてからは、ダルクに繋がり回復の王道とでもいうべき、オーソドックスな道を歩かれた。その経験は、コミックにまとめられたり、様々なTV番組で特集が組まれ、ひとたび活動すればすぐにネットニュースで取り上げられたりと発信力が全く違っていた。最近では、ご自身のYoutube番組「ブラック・マーシー」をたちあげられ、その登録者数は6万人を超えていた。


残念ながら田代さんは再発してしまったが、今回の再発もまた我々から見たら、回復途上の経過の一つだと考えている。あれだけ頑張っていても再発はあるのだと、今回の再発もまた、社会の理解に繋がればと願っている。いずれにせよ田代さんが功労者のお一人であることは間違いない。


田代さんの次に、高知東生さんも医療や自助グループに繋がり、啓発活動にいそしんで下さっているが、やはり高知さんが活動されると、新聞、TV、ネットニュースと多くのメディアが取り上げて下さり、我々とは発信力が全く違うのである。


 


2.ロールモデル


依存症者を見たことのない人、支援に関わったことのない人たちは誤解しているが、依存症からの回復というのは辛く、長い道のりである。なんせ快楽を与えてくれる神経伝達物質「ドーパミン」が、依存物質、依存行為以外では出が悪くなってしまうのであるから地獄である。みなさんも想像してみて欲しいが、例えば、何か目標をもったり、好奇心でワクワクしたり、単純に食事をしたり、好きな人と一緒に居る時に、人は快びを感じるはずである。ところが依存症者はそういったことでは、もう快感物質は放出されず、依存物質を使ったり、依存行為をやっている時以外では、日常生活がどんよりと落ち込んでしまうのである。しかも辛く、苦しいからと言って、依存物質や依存行為を使えば、リミッターが外れているので、今度はとことんまで行ってしまい、最悪命を落としてしまうのである。


依存症者に再発が多いのは、止めはじめの一番辛い時期が長きに渡って続くためである。大体2年くらいは苦しい時期が続くが、あまりの苦しさに、再発してしまう人が多い。そこにはロールモデルの不在という事情も大きいと思われる。


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