依存症対策見直し必至【2020年を占う・社会】
Japan In-depth / 2020年1月3日 11時0分
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)
【まとめ】
・ギャンブル等依存症対策、公平性・透明性求められる年に。
・薬物依存症、「ダメ、絶対」でなく「回復から再起へ」へ。
・合法なものに対するいきすぎた寛容さと、違法薬物に対する必要以上の厳罰主義、見直すべき。
■ ギャンブル依存症
カジノ疑獄で見直しが必要となるギャンブル依存症対策
2019年12月現役国会議員がカジノ誘致に絡む収賄事件で逮捕されるという衝撃的なニュースが日本中を駆け巡った。カジノの是非を巡っては、かねてより「利権の温床になる」との指摘があったが、まさにその懸念が現実化したわけでこうなった以上は少なくとも捜査の全容が解明されるまで、カジノを容認すべきではないとの声が高まると思われる。
また、それに伴い「ギャンブル等依存症対策基本法基本計画」についても見直しが必要である。そもそも「ギャンブル等依存症対策基本計画」は、たった4回の関係者会議で終了となっており、先行する「アルコール健康障害対策推進基本計画」が、およそ1年5カ月をかけ14回の関係者会議と12回のワーキンググループが開かれたこととは雲泥の差である。たった4回の関係者会議では、自己紹介及び官僚の作文した基本計画を発表して多少の意見交換で終了である。実際、議事録を見ても大した議論は行われていない。
しかもアルコールの関係者会議では、長年アルコールの健康障害対策推進のために実際に活動してこられた、公益社団法人全日本断酒連盟さんや特定非営利活動法人アスクさん(アルコール薬物問題全国市民協会)が委員に選ばれ、現状の問題点や課題について指摘し、依存症対策が新たな利権になることのないよう地域連携による対策が考えられたが、ギャンブル等依存症対策基本法では、ギャンブル依存症の一個人である当事者・家族を入れ、ギャンブル産業の依存症対策の問題点を指摘できる市民活動家を一切排除したのである。
つまりすでにこの時から、秋元議員もしくは秋元議員以外の国会議員にも賄賂により、早期にカジノ開業を目論むオペレーターや自治体、さらには既存のギャンブル産業に忖度し、充分なギャンブル依存症対策の議論を行わせないように取り計らった可能性も考えられるのである。実際、秋元議員はカジノ関係者だけでなく通称パチンコ議員と呼ばれる「時代に適した風営法を求める議員連盟」の事務局長も務めており、関係先のパチンコホール会社が家宅捜査を受けたことからも関係の深さを物語っている。
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