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東京都コロナ対応「見える化」の凄さ 東京都長期ビジョンを読み解く!その86

Japan In-depth / 2020年3月23日 14時38分

東京都コロナ対応「見える化」の凄さ 東京都長期ビジョンを読み解く!その86


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)


 


【まとめ】


・感染症は常に人々の歴史と共に存在した、過敏になる必要はない


・それでも募る不安に、東京都はデータを「見える化」して公開


・感情論を煽るニュースに対してリテラシーを持つことが大切


 


コロナ、コロナ、コロナ・・・新型コロナウィルス感染症は、生活・経済をはじめ、行動制限など多くの影響を社会にもたらしている。皆さん大変な状況である。中国の武漢からはじまったこの騒動、日本、イタリア、アメリカ・・・と世界中に広まっていて、世界的流行は経済にまで大きく影響をおよぼしている。


 


この騒動に対処する中で最も大切なことは、医療崩壊を抑えることである。医療が整っているうちなら致死率が抑えられるし、重症な人はきちんとしかるべきところで入院を受けられるようにするということである。それを実行するためには、不安になり過剰に心配する人や程度の軽い人に入院してもらわないようにすることが大事である。日本政府、東京都庁、医療機関の関係者の方々はとても苦労していると思う。


 


■そもそもCOVID19とは?


 


人間は感染症との闘いであった。


 


【感染症の歴史】


13世紀:ハンセン病


14世紀:ペスト


16世紀:梅毒


17-18世紀:天然痘


18-19世紀:コレラ、結核


20世紀:インフルエンザ


 


つまり我々の祖先はこうした感染症と戦ってきたのだ。歴史的に起こってきたし、今後も起こりうると言える。驚くことではないし、そうした事実を踏まえて今回の新型コロナウィルスの件を見なければならないだろう。特に、インフルエンザ(インフルエンザウィルス急性感染症:上気道炎症状・呼吸器疾患)だけでも、多くのパンデミックが起こってきた。まとめると以下のようになる。




【出典】筆者作成


 


忘れてしまっているかもしれないが、地球に生きている限りこうしたことは避けられない。上記表に書いたように、江戸時代でも何度も流行してきた。これだけ進歩しても、科学や医学はもちろん万能ではないのだ。とはいえ、どこまで社会生活を抑制するのか、規制するのかは難しい政治判断になる。


 


今回の新型コロナウィルスについて、これまでわかっていることをまとめてみよう。


 


・年齢分布で見ると、60、70、80代が圧倒的に多い。


・子供たちの感染は少ない


・8割が軽傷(ほとんど治る)、2割が重症化


・おおよそ8割が感染しても無症状のまま終わる人もいる


・20%は重症化(何がの処置が必要)


・5%が重篤化(人工呼吸器などの補助や適切な呼吸管理が必要)


・致死率は1%


・SARSが10%、MARSが37%の致死率


 


ということなのだ。これ以上のことは紹介しないが、重症になることはめったにない。しかし、放っておくと広がってしまうし、ハイリスクの人(循環器患者、糖尿病患者、高血圧患者など)に及べば死者が増えることに社会全体として注意しなければならない。大丈夫な人がハイリスクの人にうつすとそれが大変なことになるのだ。


 


上記のスペイン風邪では致死率が2%で大騒ぎになったように、人々が不安におびえるのも仕方ないようにも思える。手洗い、うがいをしっかりして、人が集まるところにいかない、ハイリスクの人にうつさないように重々注意して暮らしていきたいものだ。


 


■東京都がデータを活用!


 


時を戻そう。


 


そんな中、東京都は、「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を開設した。東京都はこうした機会に、わかりやすくデータをまとめる活動を行っている。



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