英海兵隊、日本人初取材敢行
Japan In-depth / 2020年4月10日 7時3分
清谷信一(軍事ジャーナリスト)
【まとめ】
・英海兵隊ストーンハウス旅団司令部や各部隊を日本人初取材。
・英海兵隊は組織の近代化プログラムを推進。能力の高さを実感。
・陸自水陸機動団は米海兵隊よりも英海兵隊を参考にすべきでは。
英海兵隊は370年の歴史を持つ世界最古の海兵隊である。英海兵隊はSASやSBSなど英軍の特殊部隊出身者の6割を輩出するエリート部隊である。このため特殊部隊隊員の多くが海兵隊で訓練を行うこともあり部隊のセキュリティは大変厳しく取材も制限されている。
筆者は6年前日本人ジャーナリストとして初めて英海兵隊訓練センターを訪問し、今回、プリマスに所在する英海兵隊第3コマンドウのストーンハウス旅団司令部及び各部隊に同様に日本人ジャーナリストとして初めて取材を許された。
▲英海兵隊ストーンハウス第3コマンドウ旅団司令部。主要ビルはナポレオン時代に、フランス軍の捕虜を使役して建設された(同様なことはフランス軍もやっている)。なお、この場所はローマ時代のローマ人の駐屯地の跡地でもある。
(撮影:柿谷哲也 Tetsuya Kakitani)
英海兵隊は単なる水陸両用部隊ではない。その任務は原潜基地警備や北海油田の警備、ノルウェー駐留、英海軍艦艇に同乗しての艦艇防御や、臨検、山岳戦、コンバットレスキュー、他国との信頼熟成のための支援、など多様であり、熱帯から極寒地帯での戦闘能力も有している。地上戦闘部隊として将兵の質も高い。
このためアフガニスタンでも英軍地上部隊の主力として戦った。なお臨検はレベル1~4まで通常の艦艇に乗り組む海兵隊、レベル5以上がSBS(Special Boat Service:特殊舟艇部隊) の担当となる。中核となる第40、第42、45コマンドウはそれぞれ兵力が360名ほどの大隊規模の部隊で各6個の中隊を擁している。43コマンドウは兵員約550名で、海軍の艦艇に同乗しての警備や、原潜基地警備などを担当しており寒冷地戦闘、近接戦闘、ヘリや艦艇からの狙撃などのエキスパートを養成している。
▲見本市、DSEI2009での海兵隊が行ったデモ航行。兵員輸送時には背の高めの装甲を使用し、パトロール用には低めの装甲を使用する。また操縦席左右は特に厚い装甲が使用されており、また操縦席のシートの背もたれにも装甲板が装着されている。エンジンはシュタイアーの250馬力、M0256 K43ディーゼルエンジンを二基搭載している。(写真左)。(撮影:筆者)
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