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10万円給付とマイナンバー

Japan In-depth / 2020年5月1日 7時0分

10万円給付とマイナンバー


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)


【まとめ】


・10万円給付、時間かかるのはマイナンバーが普及していないせい。


・マイナンバーカードの普及率は国民の16%どまり。


・マイナンバーカード普及の為の努力を政治はすべき。


 


政府は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一律10万円の給付を決めた。早ければ5月下旬にも支給される見込みだが、海外では既に給付が開始されているところもある。何故日本は遅いのか?


背景にはマイナンバーカードが普及していないことにある。


 


■ マイナンバーとは?


そもそもマイナンバーとはなんであろうか?マイナンバーは個人番号とも呼ばれ、日本に住民票を有するすべての人(外国人も含む)が持つ12桁の番号だ。


マイナンバー制度の目的は、政府のHPによると、以下の3つということになる。



▲画像 出典:内閣府 https://www.cao.go.jp/bangouseido/


ちなみに、上の画像のマスコットは「マイナちゃん」という。


アメリカでは市民・永住者・外国人就労者に対し、9桁のソーシャル・セキュリティー・ナンバー(Social Security Number:社会保障番号)というものが割り当てられている。銀行口座を開くにも、クレジットカードを作るにも、この番号が必要だ。当然税金を払うにも、還付を受けるにも、個人がこの番号に紐づいている。従って、今回のように政府が国民に迅速に給付を行うことが可能なのだ。アメリカでは3月27日、トランプ大統領が法律に署名後、約2週間で支給された。


日本は、住民票コード、基礎年金番号、健康保険被保険者番号など、それぞれの番号で個人の情報を管理しているため、国や地方の行政機関をまたいだ情報のやりとりでは、氏名、住所などでの個人の特定が困難で効率が悪い。


何故、こうした個人番号の普及が遅れているのかというと、日本人に、お上に自分の懐具合を含め全てを管理されたくない、という気持ちが強いからではないか。


古くは1968年、佐藤栄作内閣が「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置し、国民総背番号制の導入を目指したが頓挫した。1983年、中曽根内閣の時には、グリーンカードという名称で納税者番号としていったん導入が決まったものの、反対が強く撤回を余儀なくされた。


なにしろ、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、納税者の整理番号、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号など個人に割り振られる番号は省庁ごとに作られてきた歴史がある。


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