全国民PCR検査、今すべき?
Japan In-depth / 2020年5月17日 17時46分
● 検査拡充に必要な人員には、医師等以外でも一定の条件下で検査を行える時限措置を講じた上で、外出制限や営業自粛によって職や収入を失った方々の優先的な雇用を求める。また、体制整備のため、官邸を中心に関係省庁、都道府県および協力団体などが一体となって資材調達、実施、検査結果の集約・分析などを行いうるよう「新型コロナウイルス検査緊急対策ネットワーク」の構築を提言する。
「命も経済も守る」事に異論のある人はいないだろう。政府ももちろんそのために緊急事態宣言を全国に発令し、ソフトロックダウンを行っている。5月14日に34県に対する緊急事態宣言は解除されたが東京、大阪、北海道などは以前、厳しい自粛が行われている。
本提言を待たずして、経済の先行きに対する懸念は日増しに大きくなり、一日も早い経済再開を望む声は産業界のみならず、すべての国民からも聞こえてくる。
筆者は前の記事で、一部メディアのPCR検査拡大の大合唱に疑問を呈したが、論稿は以下の点でより具体的で、目を引く。
まず、経済への影響として:
●長期間に渡る外出制限や飲食店などの営業活動の自粛による売上蒸発は、旅 館・ホテル等の宿泊業・飲食サービス業、映画館や劇場等の生活関連サービス業・娯楽業、 デパート等の卸売業・小売業産業だけで、1日平均約0.24 兆円であり、1カ月で 7.2 兆円に なる可能性がある。この試算は前提に依存する大雑把なものだが、自粛が長期化し、3カ月継続すると21.6兆円の売上蒸発になる。6カ月継続ならば43.2兆円(名目GDPの約8%) になる。
とした上で、検査については:
● 全国民が1~2週間に1度PCR検査(承認申請中の抗原検査を含む)を受けられるようにし、「継続的に陰性」の者は安心して外出や仕事を再開できる体制を半年以内に整備することを目標とする。
●この目標のため、1日1000万件から2000万件のPCR検査(承認申請中の抗原検査を含む)を行えるよう検査体制を抜本的かつ段階的に拡充する。
●検査で陽性反応が出た者については、自宅待機とするのではなく、感染者の健康上の安全確保にも配慮して、陰性が確認できるまで宿泊施設などに「隔離」する。
●政府は「継続的に陰性」の者に社会活動・経済活動の自由を広げる市民社会主導の試みを支援する。
●我々が互いにPCR検査(抗原検査を含む)が陰性か陽性かを判断するため、PCR等検査陰性証明書の発行(例:偽陰性の問題に対処するため、連続2回陰性の場合に発行)や、ユーザビリティを確保した最新のテクノロジーの活用(状況により、GPS付き電子バンドの装着等)も視野に入れる。
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