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全国民PCR検査、今すべき?

Japan In-depth / 2020年5月17日 17時46分


▲写真 2020年4月2日、ニューヨーク市のジェイコブKジャビッツコンベンションセンターに設置された患者ケアユニット 出典:flickr : The National Guard(U.S. Air National Guard photo by Major Patrick Cordova)


さらに、全国民が1~2週間に1度PCR検査を受けられる体制を作るとしているが、その間に無症状者が感染を拡げるリスクがあるわけで、そうなると、この検査の実効性そのものが揺らいでくる。


これらの理由から、大規模検査の実施は極めて難しいのでは無いかと考えざるを得ない。


論稿に関し、疫学が専門の名古屋市立大学大学院医学研究科の鈴木貞夫教授は、「私が問題だと思うのは、検査を「受けない」人をどう扱うかということです。そもそも私は受けませんし、そういう人は相当いるのではないでしょうか。本提言が『全数近く』を前提にしているのなら、そもそも成り立ちませんし、すこしでも『強制』をにおわせるようなことがあればそれは『人権問題』だと思います。そのあたりについての記載が一切ないのが気になります。」と述べた。


 


■ 日本の対応は遅れていない


そしてもう一つ、大切なことがある。


依然多くの人が、日本はPCR検査が他国に比べて少なく、真の感染者数がわからないのが問題だ、と考えている。しかし、それは一部のメディア、特にワイドショーが声高に言っていることであり、それを見聞きした人達がそう信じ込んでいる側面がある。


これに対し、WHO(世界保健機関)のシニアアドバイザー進藤奈邦子氏は、5月10日のNHKのニュース番組で、「日本の検査体制が不十分などの理由で日本の対応の遅れを指摘する声もあるが、日本の対策をどう見ているか」とスタジオから聞かれ、それを全否定した。



▲写真 新藤菜保子氏 出典:Twitter : @nikkishindo


その内容は:



・日本が低いレベルで(感染を)押さえ込んできているのは、世界的に見ると、ほぼ奇跡とみられていた。


・その理由は、世界から仰ぎ見られるような感染症の専門家がいて、彼らが陣頭指揮とってきたことだ。


・また、国民の高い衛生意識、感染症に対する理解がきちっとしていたことが上げられる。


・日本の死亡者は欧米諸国に比べ、圧倒的に少ない。


・(なので、日本の)「検査の遅れ」というのは、私たちは間違っていると思う。


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