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全国民PCR検査、今すべき?

Japan In-depth / 2020年5月17日 17時46分

また、検査を拡大した時のコストについては本提言の脚注*4に以下の記載がある



●PCR検査に限らず、抗原検査や抗体検査を含め、高精度で有用性が高い検査は積極的に取り入れる。また、検査は訓練を受けた技術人材が実施する。PCR検査キットの価格が1キット1.5万円の場合、このキットで1日1000万回のPCR検査を365日行ったときの経費は54兆3850億円。これを全額国庫負担で予算を5兆円程度まで圧縮するには、キット単価を約10分の1に下げる必要あり。他方、全額自己負担で検査を2週間に1回受ける場合、国民一人当たり年間36万円(年24回×1.5万円)の負担となるが、キット単価を3分の1に引き下げれば負担は12万円となり、政府が9兆円の公費投入でその5割を補助すれば負担は6万円となる。



PCR検査に限らず、抗原検査、抗体検査などを積極的に取り入れるとしている。また、精度の高い検査キットの開発普及・低価格化で、予算は5~9兆円(仮)まで圧縮できるとの試算だ。


■ 大規模検査は必要か?


論稿の肝(きも)は、自粛による経済の停滞を一刻も早く止め、再開させるために、大規模検査により陰性である人を見つけ、できるだけ早く仕事に復帰させる。そのために複数回の検査をやる、ということだと理解した。


経済再開に全く異を唱えるものではない。過度の自粛が経済にとてつもないダメージを与えるのは火を見るよりも明らかだ。


一方で、大規模検査が経済再開の鍵か、と聞かれると、前の記事にも書いたように、首をかしげざるを得ない。


その理由だが、まずPCR検査の感度が約30%~70%と低いことが上げられる。検体の採取は、綿棒で鼻咽頭の粘液や細胞を採取する方法が一般的だが、その時、患者が咳やくしゃみをする可能性が高い。感染リスクを考えると、医療従事者が時間をかけて丁寧に検体を取ることが難しいという理由もあると思う。



▲写真 米ユタ州警備隊員 検体をとる様子 出典:flickr : The National Guard (U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. John Winn)


ここでPCR検査の診断特性を、感度(感染している人に検査をして、正確に陽性という結果が得られる割合)70%、特異度(感染していない人に検査をして、正確に陰性という結果が得られる割合)99.9%として計算してみる。


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