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全国民PCR検査、今すべき?

Japan In-depth / 2020年5月17日 17時46分

日本の戦略的検査は高く評価している。



どうだろう。大方の読者の認識と大分乖離があるのではないだろうか。それは多くのメディアが政権批判に走るあまり、PCR検査の少なさをたてに日本政府の対応が遅く稚拙である、との論を展開しているからだ。オール野党化しているといってもいい。死亡者が725名(厚労省資料:5月16日版による)にとどまっていることをなぜ評価しないのか?


国家の役割は、感染者を押さえ込み、死亡者数を極力減らすことである。これまで日本はクラスターを発見したら徹底的に対策を取ると共に、緊急事態宣言下の国民の自粛によって感染爆発と医療崩壊を極力防ぐ戦略をとってきた。今になって批判する人がいるが、37.5度が4日続くまで様子を見る、という指針は、非感染者を医療機関に殺到させないために貢献したといっていいだろう。


また、日本人の高い意識で、強制力の無いソフト・ロックダウンにもかかわらず、大都市の主要ターミナルの人出を約80%も抑制することに成功したばかりでなく、デパートや大規模商業施設だけでなく、多くの小規模飲食店が痛みを感じながらも休業したり、時短営業を遵守している。その結果が今、数字として表れている。34県の緊急事態宣言が早期に解かれたのも、これまでの政府の対策と国民の自粛のたまものであろう。


 


■ 経済再開に向けて


繰り返しになるが、論稿の趣旨である「一日も早い経済再開」は待ったなしだ。特に東京、大阪など大都市の解除が待たれている。


そうした中で、今すべきことは医療リソースと財政に負担の大きい大規模検査では無く、非常事態宣言解除後に来るかも知れない第2波、第3派に耐えうる社会システムの構築だろう。


まずは、今回不足した、医療用手袋、医療用ゴーグル、防塵服、N95マスク、ゴム手袋など、医療リソースの供給体制見直しが求められる。


不足しているICUや隔離病棟の確保をどうするのかなど、医療面での課題は多い。感染症に特化した、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のような組織が日本にも必要かどうかの議論もある。


そして今後、接触者追跡をどう行うのか。プライバシー意識の高い日本においてどのようなシステムが構築できるのか、今から考えておかねばならない。


また、私たちの日常生活が大きく変わってしまった中で、今後ニーズが高まるであろう非接触エコノミーをテクノロジーの力で推進することが求めれる。あらゆるビジネスがその形態を大きく変えていかなくてはならないだろう。グローバル・サプライチェーンの見直しも急務だ。


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