都知事選「町田や八王子にサテライトの都市基盤整備を」小野泰輔候補
Japan In-depth / 2020年6月17日 11時49分
▲写真 ⒸJapan In-depth編集部
安倍: 感染症の脅威がなくならない中、これだけの巨大都市で人の往来も多い。東京はどう備えていくべきか。
小野氏: 都心に毎日電車で流入する構造になっているが、東京にも町田や八王子、立川などそれぞれの地域が存在する。そうしたサテライトの都市基盤を整備し、ある程度近郊のところに働けば、本社と繋がることで仕事ができるようになる。
働いている子育て中の女性においても、都心まで行くのに地元の保育園に預けてから行くのは大変だが、自分の近いところで核となるコアスペースやサテライトの横に子育て施設が併設されれば、働きやすいと思う。介護もそうだ。暮らしやすく、分散できる都市構造を東京が作る、ということを喫緊にやらなければならない。
安倍: 一極集中、首都機能移転に関しては、長年議論されてきた。将来的には一部機能移転なども考えているか。
小野氏: やはり分散化が必要だと思う。私も熊本地震を経験したが、同じ震度7が今の状態の都心で起これば、逃げ場がない。これだけの昼間人口がいて、高層ビルに(人が)入っている。地震になると皆平面に出てくる上、エレベーターも止まる。そうなると逃げ場はない。だから分散化は重要だ。
そして、働き盛りの人が子育てや介護など色々な課題を抱えている。(暮らしの)負担が少ない形で可能になるような街の構造を分散型で実現する、ということを今考えるべきだ。
安倍: 災害対策について。東京は災害時の物流や木密、電柱、歩道橋など様々な課題を抱えている。ひとたび何かが起これば完全に道路は麻痺してしまうが、この現状は変えることができるか。
小野氏: 今まで変えられていなかったと思う。開発も都会を優先し、容積率の緩和や投資の呼び込みをこの十数年やってきたと思うが、その発想も変えて都心部の超高層はやめるなどの誘導策や、周辺の開発を進める。
今までは都心部の開発ばかりやってきた。そこの付加価値を高めるために限られた土地で高層化して高い賃料を稼いできたが、コロナで(オフィスなどに)空きが出るため、それが出来なくなる。今度は大手デベロッパーが町田や八王子など周辺を、生活者が距離的に暮らしやすいスケールで、機能的にも足りる都市作りを行うべきだ。
そうすると真ん中(都心部)が空く。シンガポールや上海が過密化して家賃も高くなる中、例えばアジアの金融センターやAI、最先端の海外の企業を引っ張りこみ、特区扱いするなどもあり得る。また、非日常で集まる場所として文化や芸術などで空いたスペースを贅沢に使うことも議論している。
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