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高速水陸両用装甲車の開発はムダ

Japan In-depth / 2020年7月18日 23時53分

我が国では雪上車を開発生産している大原鉄工所がこれに近い技術を持っている。同社は1952(昭和27年)にわが国初の雪上車の開発以来、現在では唯一の雪上車の国産メーカーである。 南極観測用雪上車や自衛隊用雪上車の製造を担当しており、民間用の雪上車も製造している。


ただ同社の売上は約38億円、従業員は約170名(関連会社含めて約260名)で、事業はリサイクルプラント機器、バイオガス発電設備、下水処理設備、石油ガス・地熱掘削設備、発電用・農業土木用・河川用水門など多岐に渡っている。雪上車は一部門に過ぎない。このめ、開発や生産は小規模である。このため大きな投資を行い、2連結式のATVを開発、量産して世界的に販売するのは無理がある。


例えばMAVを開発している三菱重工と同社が組んで、ATVを開発し、試作は同社が担当し、量産は三菱重工が担当、販売は商社が行うというようなスキームを作れば事業化は可能ではないだろうか。


特に非装甲の民間型であれば輸出に関する縛りもないので、性能、品質がよく、値段もそれなりに低減できれば充分に国内および国外の市場で戦えるのでないだろうか。そうなれば。各種のモデルを開発でき、設計や製造のノウハウも蓄積できる好循環が期待できる。


繰り返すがEFV装甲車型のMAVを開発しても自衛隊の調達数は数十輌に過ぎず、軍用市場でも需要が少なく、民間には売れない。このためMAVの後継を作るにしても30年は先の話になるし、せっかく開発した技術を使用する術はない。つまり持続的な防衛産業基盤の維持には貢献しない。


むしろ世界の軍民両市場で持続的に販売可能な製品をつくるきっかけを防衛予算で行い、その後も持続的に投資と開発を行えるものを作った方が結果として、防衛生産基盤の強化につながるはずだ。


 


我が国の装甲車開発を踏まえた


次世代水陸両用技術の成果と今後の展望


https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/inoue.pdf


トップ写真:BvS10(バイキング) Tchad swimming 出典:BAEシステムズシステムズ


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