コロナ時代の大学スポーツ、苦しいのは選手だけでなく― 慶應義塾体育会硬式野球部・赤松尚範マネジャー
Japan In-depth / 2020年8月7日 22時18分
小山台野球班のモットーは全員野球。先生4人がコーチをしていた。部員が当時100人以上いたので、全員が試合に出ることが出来るように、1日に別メンバーのチームで4試合戦。
小山台が21世紀枠で甲子園出場を果たしたのは、赤松が中3と高1の間の春休み。その前の年の秋の大会で、小山台は都大会ベスト8入りしていた。小山台のスクールカラーは黄色。慶大と小山台はユニフォームも似ていて憧れだった。
今回の夏の甲子園の中止を聞いて、
「当事者にしか分からない感情が必ずあると思いますので、正直どのような言葉をかければ高校生のためになるのかは分かりません。僕自身、大学生活最後の全日本選手権が中止となりリーグ戦もイレギュラーな形になるなど、理不尽な現実を恨む気持ちは当然あります。ただ、このような状況下でも諦めずに歩み続けた日々や仲間と切磋琢磨した時間が必ず人生の財産になると信じて今は取り組んでいます。僕自身は、とにかく歩みを止めないぞという気持ちで野球部生活を全うしたいと思っています」
と、後輩たちにエールを送る。
また、8月になってしまった東京六大学野球春季リーグに関しては「僕自身はこのような状況で開催に向けて努力してくださったことに感謝しています。選手達は春季リーグ戦が中止にならなかったことに安堵しています。が、今月に春季リーグ戦、翌月には秋季リーグ戦が開幕しますので、そのあたりで調整に工夫が必要になってくると考えて、対策を講じています」
慶大入学後、塾野球部には始めからからマネジャーとして、入部した。
赤松にとってマネジャーとは何か―。
「グラウンドの一番近くでチームの勝利に貢献できる役割だと思っています」
マネジャーの仕事は、結果を出すことが見えにくい、実感がもちにくい。グラウンドにも出られない。自らチームが勝つために必要だと思うことを考えて行動し続けるしかない。何が正しいのかは分からないが、チームが勝てばそれが正解だと信じる。同期のマネジャー2人と、チームの隅々にまで気を配りながら強いチームを作っていきたいという。
自分は、下級生などに厳しく言うタイプ。彼らも言われないと分からないことがあると思うし、自分自身も言うべきことを言わずに後悔したくないという思いがある。
残りの時間で思い残すことがないように、マネジャーとしての野球部生活を全うしたい。卒業後も一生野球に関わって行きたいと目を輝かす。
「野球は、自分の人生そのものだから」
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