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陸自 開発実験団評価科長の尊皇攘夷

Japan In-depth / 2020年8月17日 19時0分

陸自の富士学校では合同調査会同と呼ばれる展示会が行われる。何の機密があるわけでないのに、メディアに取材を許さない。校長の訓話や発表は録音も撮影も禁止だ。筆者は一度業者の資格で視察したが、研究も大したレベルではない。業者のレポートをコピーしたようなレベルで、海外のコンファレンスなどの発表と比べるとかなりレベルが下がる。「内輪の会」で外部の批判を受けることがないので安易な発表を繰り返す。


だからいつまで経っても世間の変化や常識が理解できず、低性能、低品質でコストだけは高い装備を延々と調達して税金を無駄使いしていると見られているのだ。こういう合理性、経済原理を無視し、世間に通用しない組織の論理を押し通す、世界の実態を知らない井の中の蛙がまともな装備開発や調達ができるだろうか。


実は各省庁の予算のコストカットだけが注目される財務省だが、防衛省の海外出張、視察に対して鷹揚である。筆者は以前から申し上げているが、開発の現場の富士学校や開発実験団にこそ海外視察、情報収集をさせるべきだ。財務省は海外視察に年間数億円かかっても、性能や品質が怪しげで他国の何倍も高いクズなような装備を数百億円、数千億円かけて開発したり、調達したりされるよりは遥かにマシであると考えている。


田川評価科長は、記事はあくまで「個人の感想、意見です」と逃げを打っているが、それは通用しない。その職責にまさに中核たる事柄について思い込みで書いている。装備の評価をまともにできない人間がその職にあって職権を乱用しているのであれば到底許されることではない。


例えば陸幕長が、いざとなれば隊員にバンザイ突撃させるとか、自衛隊に反対するジャーナリストや議員は警務隊に拘束させると「個人の感想、意見」を雑誌で述べれば懲戒は避けられないだろう。


この彼の記事を読んだ海外のメーカーや商社は陸自の装備調達のあり方に疑惑を抱くだろう。そうなれば真剣に日本に対するビジネスを考えなくなる可能性は少なくない。それは陸自、防衛省の信用だけではなく、我が国の信用を毀損することであり、国益を大きく損なう。


実は田川評価科長のような考え方をもつ幹部(将校)は少なくない。それはきちんとした軍事や調達の教育を受けておらず、仲間内でオダを上げて自分たちは正しいと言い合って、民主国の軍隊であれば当然開示している情報をひた隠し、他流試合をしないからだ。


繰り返すが、外国製が高い、アフターサービスが悪いというのは防衛省側にまともな知識と交渉力、調達能力が欠如していることが原因であることが多い。自衛隊でも交渉している例がある。例えば海自がイージスシステムを導入した際には、ソフト導入時には米側から隻数×単価で要求された。だが、海自の担当者はほぼ同じソフトでそんな要求は飲めないとメーカーの人間を追い返した。後日メーカーはリーズナブルな価格を提示した。担当者に知識と度胸があればそういう交渉ができるのだ。


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