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陸自 開発実験団評価科長の尊皇攘夷

Japan In-depth / 2020年8月17日 19時0分

““「まだまだ大事に使用している最中に突然やってくる補用品の生産中止やサポート終了のご連絡となればビジネスの範囲を超えられない『輸入品』とつくづく実感させられる」””


防衛産業はビジネスではない、というセンスには驚くしかない。ビジネスでないならなんなのだろうか。これも既にご案内の通り、自衛隊は検討に時間をかけすぎて、生産終了に近くになって毎年単年度予算でチョロチョロと調達して調達期間が非常に長いことに起因している。


陸自では小銃や装甲車を30年もかけて調達するが、そんな非常識な軍隊はよほどの最貧国以外には存在しない。30年もかければ調達半ばから既に旧式化しており、途中で近代化されている可能性が高い。当然前のパーツなんかある訳がない。


しかも自衛隊はこのような調達で単価の高い買い物をしているために、途中で近代化するための予算を捻出できない。


例えば装備のLCC(ライフ・サイクル・コスト)を30年とし、調達期間が5~10年なら、後25~20年はサポートを受けられる。対して陸自のように調達に30年をかけて、そこから更に20年サポートを維持するならば50年はサポート期間が必要だ。LCCを30年で計算する企業であれば自衛隊が調達完了した時点でサポートも完了する。


旧式化したパーツを少数作り続ければ、当然調達単価とLCCは跳ね上がり、旧式兵器に多額の費用をかけて維持することになり、費用対効果は悪くなる。それが陸自の装備が諸外国の軍隊の何倍も高いという現実につながっている。そんな異常で非常識な要求をされても海外のメーカーは困るだけだ。防衛産業も産業であり営利企業であるということが理解できないようだ。


更にもうせば、現在の装備品はコスト低減のために民生コンポーネントの流用が多い。このため当然ながらベンダーが部品を生産、保管するのは大抵7~8年だ。それ以上パーツを生産し続ける保証はない。だから途中で近代化を行い、同時にパーツの入れ替えをすることが多い。当然ソフトウェアもその場合更新される。だからこそ米陸軍はAH-64の兵站をボーイングに丸投げしている。


メーカーや商社と連絡を密に取り合っていれば、いつの段階で補修部品が生産中止になるか概ねわかるはずだ。それをしないで文句や不平を言うのであれば職務怠慢である。


また既に自衛隊でも一部導入が始まっているPBL(Performance-based logistics:成果保証契約)を活用、拡大する手段もある。PBLは特定のシステムやコンポーネントに関し、その部品や役務の数量や工数に対してではなく、業務評価指標の達成に対して対価が払われる。通常の契約よりも安価なコストで必要なパフォーマンスを達成することを目標とする、あるいは同じコストでより高いパフォーマンスを達成することを目標とする場合もある。


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