陸自 開発実験団評価科長の尊皇攘夷
Japan In-depth / 2020年8月17日 19時0分
▲写真 陸自10式戦車(富士総合火力演習) 出典:陸自装備費品公式アルバム・アーカイブ
他国、ことに民主主義国家が納税者に対する説明責任として果たしていることを防衛省、自衛隊はできていない。問題の原因は海外メーカーではなく、このような胡乱な調達制度を放置してきた防衛省、自衛隊にある。
陸自が採用を決定した戦闘ヘリAH-64Dはこのような杜撰な「口約束」で導入が決められた。これは富士重工(現スバル)がライセンス生産することとなったが、陸自は62機の調達を10機ほどで止め、62機の調達という約束はしていないと言いはったので、裁判となった。
AH-64Dの調達単価は概ね85億円、最後の3機は裁判で負けてライセンス料や初度費約351億円全額の支払いが裁判所から命じられた。1機あたりの調達単価は同じ重さの黄金より高価となった。
調達単価は米軍のAH-64Dより高くなったのは、毎年調達数が少ないのにライセンス国産としたからだ。しかも国内でのコンポーネントの生産は殆どなく実態はライセンス生産ではなく組み立て生産であった。しかも思いつきで、不要な装備を追加したり、本来搭載されるべきネットワーク機能を取り外すなどしたので余計にコストが上がった。
そして13機(事故で1機損失し現在は12機)しかなく、予算がないために稼働率が低く、まともに飛行でき戦闘が可能な機体は数機しかない。そしてD型のメーカーサポートは2025年で終わるので、E型にアップデートしなければくず鉄と化す。対して台湾、韓国など多くの国は輸入で短期間に既にE型を導入している。陸自のAH-64Dの導入失敗は防衛省、陸幕の当事者能力の欠如こそが原因なのではないだろうか?
ところが未だに問題のある調達方式を改めない。経験から学ぶことすらなく、ひたすら万歳突撃のような調達を行って、税金を浪費しているのだ。
““「量産されているはずの海外装備を後追いで導入する場合でも、開発から既に数十年も経過していて生産ラインが開発国の量産調達を終えて閉じてしまっていると、生産再開は日本専用に準備されて初度費は国産以上にスペシャルだ」””
閉じたラインを再開して生産すればコストがかかるのは当たり前だ。だが国産以上に法外な初度費を取られるという話は聞いたことがない。事例があるなら是非挙げてほしい。そもそも旧式化した装備をわざわざ頼んで、ラインを再開させてもらった実例が陸自にはあるのか疑問である。常識で考えればコスト割れするなら再生産を行う企業はない。
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