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陸自 開発実験団評価科長の尊皇攘夷

Japan In-depth / 2020年8月17日 19時0分

また自衛隊は実戦経験がないのはともかく、まともに海外の新技術の動向や実戦の情報収集をしないで、妄想を膨らませて変な要求をする。筆者は約10年前の技術研究本部(当時)の年間海外視察費が僅か92万円と報じた。予算1700億円の役所の視察費が筆者の海外取材費よりも少ないのだ。しかも多くは退職前の開発官(将官)らの卒業旅行と化しており、視察後すぐに退官するケースが多かった。ただでさえ少ない視察費を物見遊山の海外旅行にして浪費していたのだ。これを筆者が執拗に報道したために防衛省全体の海外視察費は増加し、また現場の人間が多少は行くようになった。


このような情報収集する気が全くない組織がまともな情報収集や分析ができるわけもないのは子供でもわかる話だろう。


実例を挙げよう。通常は8名乗りの装甲車を主力APCとするところを、4人乗りで搭載量も少ない軽装甲機動車を主力APCにしている。しかも下車戦闘時は全員が下車するので、機動力が活かせないし、専用の火器も搭載していないで下車歩兵に火力支援ができない。更には隊長車以外無線機が搭載されていない。こんなコントのような胡乱なことをする軍隊はない。



▲写真 陸自軽装甲機動車 出典:陸自装備品公式アルバム・アーカイブ


また陸自の汎用ヘリのドアガン用の12.7ミリ機銃は俯角で撃つと弾づまりを起こす。それを変更することもない。更に申せば40年以上も住友重機の機銃の品質不良に気が付かなった。そのような組織があれこれ注文つければ、非現実的な装備ができあがる。そしてその分コストは高騰する。



▲写真 12.7ミリ機銃。俯角で撃つと弾詰まりを起こすため、ヘリコプターのドアガンには向いていない。著者提供写真。


「国産」の無人ヘリFFRSやFFOSの信頼性が低いことは筆者が東日本大震災で一度も飛ばなかったことを報道し、国会で防衛省も事実であると認めた。これは田川評価科長が自慢するような「改善」がなされずに信頼性が低く、実践で使うと墜落する可能性があった。その後防衛省と陸幕は問題を総括することなく、ひっそりと調達が中止されている。つまり「なかったこと」にして幕引きを図ったのだ。だから同じような失敗を繰り返す。


田川評価科長の主張を素直に信じるならば国産装備の改修はなんの問題もなく、リーズナブルな価格で行えるはずだが、なぜ無人ヘリの改修がなされずに、こっそりと調達を止めたのだろうか。


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