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自衛隊機のコスパを検証する(前編)

Japan In-depth / 2020年12月26日 12時40分

財務省によれば空自のC-2輸送機の維持費はF-35Aより高い。であればCPFHも当然高い。実は財務省の資料ではC-2のCPFHが公開されている。これによればC-2のCPFHは約 274万円、米空軍のC-130Jが 約 61.8万円、C-17が 約150.9万円(※1ドル/ 112円 30年度支出官レート)だ。(※参考:『防衛』平成30年10月24日)





C-2のCPFHはC-130Jの4.4倍、C-17の1.8倍にもなる。ペイロード1トン当たりのCPFHは、C-2は10.5万円(26トン)、C-130Jは3万円(20トン)C-17(77トン)は1.96万円である。C-2のペイロード1トン辺りのCPFHはC-130Jの約3.5倍、C-17の5.4倍と、比較にならないほど高い。





因みに1機あたりのLCC(ライフ・サイクル・コスト)はC-2が 約 635億円、C-130Jが 約 94億円、C-17が 約 349億円である。C-2の1機あたりのLCCはC-130Jの6.8倍、C-17の1.8倍である。これがペイロード1トン当たりのLCCになるとC-2は24.4億円、C-130Jは4.7億円、C-17が4.5億円であり、C-2の1機あたりのLCCは、C-130Jの5.2倍、C-17の5.4倍となり、これまた比較にならないほど高い。





調達単価も来年度の防衛省概算要求では1機225億円で、ペイロードが3倍近いC-17と同等である。C-2の調達及び維持費は輸送機としては極端に高いことがわかるだろう。調達単価、CPFHの面からもC-2は極めてコストが高い。





このような極めて高いC-2輸送機を大量に買い、また空自はRC-2やスタンドオフ電子戦機などもC-2ベースで開発している。その分、戦闘機の維持費が圧迫されはしないだろうか。





因みに空自の救難ヘリ、UH-60J(改)は当初、調達単価が23.75億円、LCC(ライフ・サイクル・コスト)が1,900億円とされていた。ところが採用された三菱重工製のUH-60Jの改良型の実際の調達単価は50億円以上で、約2倍である。その後劇的なコスト削減はされていない。かつて筆者の質問に対して空幕は、劇的なコスト削減は無理だと回答している。





通常LCCは機体の調達コストと同じとされている。つまりUH-60J(改)のLCCは2倍、約4,000億円以上となり、これまた戦闘機の運用コストを圧迫しているのではないか。空幕に予算管理能力があるとは思えない。





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