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自衛隊機のコスパを検証する(前編)

Japan In-depth / 2020年12月26日 12時40分

そうであれば当然 空自のC-130HもCPFHが上がっているはずだ。C-130Hの近代化あるいはC-130 Jに変更するなどが必要だ。





▲写真 C-130Hは老朽化が進み、近代化・更新はまったなしだ。 出典:航空自衛隊



また、空自の輸送機のポートフォリオを見直すべきだ。空自は現在輸送機の調達はC-2しか行っていないが、C-1が退役し、C-130Hも退役すれば少量輸送や空挺部隊の訓練に支障を来す。C-2は今になって輸出向けで不整地試験をやってはいるが、不整地で運用出来ない。





また小さな飛行場でも運用できないので、戦時や、災害時の空輸でも大変問題だ。C-2の調達数を減らしてC-130Hの更新に加えてペイロードが8トンのC-1の後継となるより小型の輸送機も必要なはずだ。そうすれば輸送機の調達及び運用コストを大幅に低減できる。





米海軍の哨戒機ではP-8が2019年に9,000USDだったのが、2020年には8,000USDまで下がっている。対してP-3Cは2018年が6,000USDだったのが2020年には9,000USD近くまで上がっている。これも老齢化、旧式化でコンポーネント調達コストの高騰だろう。





恐らくは海自のP-1のCPFHはP-8よりもかなり高い。機体、エンジン、システム全部専用で少数生産だからだ。また調達単価も1機227億円と高い。P-1の調達を続けるよりも無人機の導入、P-3Cの近代化を行った方がいいのではないだろうか。





▲写真 P-1は調達・維持費が高く、予算を圧迫している。 出典:海上自衛隊



二種類の哨戒機の運用は非効率だが、P-3Cの運用の為の整備設備などのアセットは既にあり、エンジンやコクピットの換装など更に運用コストを低減できればP-1を60機揃えるよりは安く上がるだろう。これらの近代化を行えばCPFHを大きく下げることも可能なはずだ。またP-1、P-3Cともにクルーの数を増やして、機体の稼働率をあげて、機数を減らすことも検討すべきだろう。





P-3Cは主翼を交換すればほぼ新造機と同じ機体寿命が確保できる。更にこれを新設計して炭素繊維などを使い、また部品点数を減らし、軽量化すれば調達運用コストもさがるだろう。コックピットはグラスコックピットに変更し、エンジンも新型に換装すればこれまた軽量化と燃費が向上し、維持コストは大幅に下がる。システムはP-1のものを採用すれば共用化によって訓練や兵站も共用化できる。可能かどうか不明だが、エンジンを双発に再設計するのも手だろう。そうなればエンジンの運用コストも大幅に下がる。





▲写真 P-3Cの近代化は有用だ。 出典:海上自衛隊



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