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自衛隊機のコスパを検証する(前編)

Japan In-depth / 2020年12月26日 12時40分

空自は調達及び運用コストが法外に高いC-2及びその派生型の調達機数を見直すべきだろう。このような機体を電子戦機にまで使用するのは税金の無駄遣いだ。電子戦機ならば例えば空自、海自共同でボーイング737やエアバスA320などの旅客機を採用する方が調達及び維持整備費の面でもはるかに安価に上がる。





また三菱重工の開発が事実上頓挫しているリージョナル旅客機、スペースジェットを利用するのも手だろう。自衛隊用であれば同機の懸案の耐空・型式証明は必要ない。例えば空海自衛隊のC-2やP-1哨戒機の派生型として開発する予定の電子戦機などをこれにすれば、機体単価は4~5分の1程度に過ぎない。さらに政府専用機、早期警戒機E-2Dのシステムを移植した早期警戒機などを開発するなら、10機以上の需要はあろう。





E-2Dは艦載機であり、機体が小さいために居住性が劣悪である。またプロペラ機であるために飛行高度が低く、速度も遅い。機体にスペースジェットなどジェット旅客機を採用するならば居住性が格段に改善してより長時間の任務が可能である。また進出速度も早くなり、より高度を飛べるのでレーダーの探知範囲も広くなる。また敵機に襲われた際の生存性も高くなる。これを輸出することも可能だろう。





仮にこのような提案をE-2Dの製造元であるノースロップグラマンが拒否するのであればサーブやエルビット、IAIなどの早期警戒システムを作っているメーカーと組んでもいいだろう。





無論既に実績のある外国製旅客機を利用した方がコストは安い。だがこのままではスペースジェットの開発は頓挫する。防衛省の予算で延命し、その間に耐空・型式証明をとることができれば、国産旅客機の開発、生産の継続となり、我が国の航空産業の振興になる。特にコンポーネントを担当してきた協力企業の救済にもなるだろう。国家として、また日本の航空業界を考えた場合、スペースジェットの救済は意味があるのでないだろうか。





防衛省のはじめにC-2やP-1の派生型ありきでの電子戦機の開発は納税者を無視しているとしか言いようがない。実際に昨年度の概算要求のレクチャーでは空自の新型電子戦機の後継機種は未定といっていたのに、事実上C-2ベースになっている。こういう納税者を騙すようなことをやっていれば防衛省は納税者からの信用を失うだろう。





米軍のC-130Hは、2007年は6,000USDだったのが現在は約10,000USDとなっている。これは旧式化、機体の老齢化に伴うものだが、運用の主体がより新しいC-130Jに移り、運用機数が減っていることも挙げられるだろう。





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