「ダメ。ゼッタイ。」ポスターを貼らないで!薬物依存症家族会の悲痛な叫び
Japan In-depth / 2021年6月3日 12時39分
▲図 <Figure4>イングランドとウェールズでの薬物犯罪動向。黄色い丸が大麻所持の検挙数。 出典:同上
ご覧のように、<Figure2>の図では2004/5~2011/12の間に大麻の使用者は減少しているが(特に若者の減少が著しい)、<Figure4>では大麻の検挙数は同期間でおよそ2倍にはね上がっている。
しかしイギリスではこういった大規模調査が行われているだけましで、日本ではろくな調査もないまま監麻課の一方的な「危険ドラッグが増えている」「大麻が増えた」といった発表を鵜呑みにして薬物政策が決定されてしまうのである。こういった「恣意的逮捕」に国連は警鐘を鳴らしている。
■「ダメ。ゼッタイ。」ポスターを貼らないで!家族達の悲痛な叫び
危険ドラッグによる事故や事件がどんどん悲惨さを増していった時代、その矛先はどんどん指定薬物を増やし危険にさらした監麻課に向けられるのではなく、なぜか薬物を使用していた人達を貶める方向にいった。
例えば「ラッシュ」のように殆どアロマと変わらない成分の薬物を時々楽しんで公務員、会社員、そしてクラウドファンドでも取り扱うNHKのアナウンサーといった普通の人々が、ある日突然犯罪者とされたのである。
それまで「ラッシュ」のことなど何も知らなかった人々から、突然凶悪犯のように言われるようになるのである。にもかかわらず薬物問題に関しては「お上のやることは全て正しく、薬物で捕まる奴らは全員人間失格」と、条件反射的に思われてしまう。これこそ長い時間をかけて国民をこの問題から思考停止させ、スティグマをすり込むことに成功してきた証である。その洗脳とも言えるキャンペーンが、皆さんよくご存じの「ダメ。ゼッタイ。」である。
▲図 「ダメ。ゼッタイ。」ポスターに対して、薬物依存症家族の会が提案するポスター 提供:関西薬物依存症家族の会
「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンは、薬物使用がダメというよりも、薬物使用者が「ダメ人間」と捉えられてきた。どんな薬物であろうが、監麻課が今度はこの薬物が「ダメ」と言えば、全て危険な薬物とされ、その薬物を摂取したらいきなり幻覚や幻聴が現れ、殺人鬼になるようなイメージを植え付けられてしまう。そしてある日突然それまで何の問題もなく、社会人として暮らしてきた人々の生活を奪うのである。
監麻課にとって「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンは、自分たちの仕事に国民が疑問を持たぬための重要なツールになっていると思われ、絶対に手放したくないと考えているのだと思う。
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