「ダメ。ゼッタイ。」ポスターを貼らないで!薬物依存症家族会の悲痛な叫び
Japan In-depth / 2021年6月3日 12時39分
当時、薬物依存者の中には「捕まるのが嫌で、合法な危険ドラッグに替えたが、あまりに危なすぎるので、また覚醒剤に戻した」と笑えない話が、医療や回復施設に繋がってきた人々から聞こえたものである。
また現在、「大麻使用罪創設」が降ってわいたのは、大麻の若者の検挙率が高まったからだと言われているが、大麻の前は危険ドラッグの検挙率が増え、危険ドラッグ以前には、昭和50年代から平成10年頃まではシンナーが多かった。現在40代以上の方であれば、街にシンナー少年がゴロゴロしていたのを目撃したことがあるのではないだろうか。このようにいつの時代もある一定数の人は薬物に依存するのであり、撲滅などということはあり得ない。
規制が強化されれば、次の薬物に移行するだけであり、大麻よりずっと危険な物が出回ってしまうかもしれないのだ。
大麻が完全に安全なもので、依存性も全くないと言うつもりはないが、世界水準で信頼度の高い科学雑誌「The Lancet」で2010年に発表された、薬物の危険度ランキング(※下図)では、「身体的悪影響」(棒グラフ紫部分)「社会的悪影響」(棒グラフ赤部分)を合わせても、大麻はアルコールやたばこよりも断然低くなっている。それほど危険でもない薬物を目くじら立てて取り締まれば、「危険ドラッグ」時代の失態を再現しかねない。合法化しろというのではない。非犯罪化を推し進めるべきで、大麻使用罪創設など、科学的根拠にも、社会的合理性にも法の平等性にも乏しい。
▲図 各種薬物等の危険度を示すグラフ。左からアルコール、ヘロインと続く。大麻(Cannabis)は左から8番目で、タバコ(Tobacco / 左より6番目)よりも右に位置する。 出典:Drug harms in the UK: A multi-criterion decision analysis/ The Lancet / ResearchGate
また検挙率が高くなったことが、すなわち使用者が増えたという実態を表しているわけではない。「社会に大麻使用者が増えたと見せたい」という意向を持って、取り締まりを強化したとすれば当然検挙率はあがる。日本と全く同じ道を歩き、刑罰に多額の税金を使い、ヨーロッパの中でも深刻な薬物問題を抱えるイギリスも全く同じ手法を使う。下記のイギリスの民間団体がまとめたレポートから抜粋した図を見てほしい。
▲図 <Figure2>イングランドとウェールズでの「年齢層別の大麻使用動向」 出典:A FRESH APPROACH TO DRUGS October 2012 / THE FINAL REPORT OF THE UK DRUG POLICY COMMISSION
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