マクロン仏大統領に男がビンタ
Japan In-depth / 2021年6月13日 19時47分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・マクロン大統領が地方訪問で男に平手打ちされる。
・平手打ちをしたタレル被告に禁固4ヶ月の実刑判決。
・タレル被告、意図的ではないとしながらも、告訴に異議を唱える気は「まったくない」。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が地方訪問中にダミアン・タレル被告(28歳)から顔に平手打ちを受けた事件で、裁判所は6月10日、この男に禁錮1年6カ月(うち執行猶予1年2カ月、実刑4カ月)の有罪判決を言い渡した。また、今後、市民権を3年間停止され、5年間は武器の所有は許可されず、2年間は心理的な面について定期的な面談がある。4か月間は刑務所に入ることになるが、注目を浴びた事件だからといって特別扱いされることはない。
フランス・ドローム県タンレルミタージュで、事件が8日に起こってからメディアではセンセーショナルに取り上げられてきたが、危険なグループによる犯行ではないことが明らかになり、マクロン大統領は、この事件をそこまで大げさに扱わないでほしいと繰り返し述べた。
■マクロン大統領の反応
マクロン大統領を平手打ちした映像は、瞬く間に世界中に広がった(参考:ツイッターに投稿された動画)。国を代表する大統領が暴漢に遭うという衝撃的な事件だったからだ。タレル被告は警備用の柵の最前列に立ち、歩み寄ったマクロン大統領の腕をつかみ右手で頰を打った後、護衛に取り押さえられた。
事件をうけ、メディアは熱を入れて放送した。タレル被告が襲う様子を撮影していたとされる男性の家の家宅捜査の状況や、被告を知る周囲の人物の言葉を流した。押収されたコンピューターからタレル被告が極右のYouTubeチャンネルを登録していたことが発覚した。また、撮影していたとされる男性の家では、ヒトラーの著書「わが闘争」のコピーと剣や短剣、コレクター品のライフルなどの武器が発見され、「ヒトラーに心酔していた極右だったとは」と語る住民の声なども流れた。
一方、平手打ちされたマクロン大統領は、暴力に屈しないという言葉を述べたのちそのまま視察を続け、住民たちとの「セルフィー(自撮り)」に応じるなど変わらぬ姿を見せ公務を続けたのだ。また、その後のフランスのテレビ、BFMTVとのRMCの共同インタビューにおいて、暴力が一般化することには反対するが、この事件をあまり大ごとにしてほくないと語り、現在、仕事にも復帰できており、判断は裁判所に任せ、被害届を出すつもりはないことを述べた。
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