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装輪ATVは空挺・島嶼防衛作戦に有用な21世紀の「ジープ」

Japan In-depth / 2021年6月19日 11時0分

急襲用に開発されたFAVは一般に航続距離が短く、防御力もなく、乗員の疲労も大きいので短距離での急襲作戦以外に使えず、使い勝手が意外に悪いことが認識されてきた。このためスパキャット社のジャッカルやイベコ・ディフェンス社のLAVの特殊部隊型、ジャンケル社のアブ・サヤフなど、通常の軽4×4車輛をベースにしたオープントップの車輌、前回紹介した南アフリカの特殊部隊車輌、ホーネットなどのような車輌にその地位を奪われてほぼ消滅している。





これらの車輌はオープントップでも装甲車だったり、ソフトスキンでも装甲の装着が可能だったりするし、ペイーロードが大きく長期の作戦行動が可能でより多彩な武装が可能となっている。このため汎用性が高い。





またATVにも特殊部隊の襲撃などの任務にも使えるような、高速で武装が可能なタイプも出現している。つまりFAVの急襲能力などは特殊部隊用のパトロール車輌とATVに引き継がれ、絶滅したと言ってよいだろう。





米国のATVメーカー、ポラリス社の軍事部門であるポラリス・ディフェンス・ビークルの軍用ATVは米軍を始め、多くの軍隊に使用されている。USSOCOM(United States Special Operations COMmand :米特殊作戦軍)では同社のMV850、MRZR2、MRZR4などが採用されている。









▲写真 MV850 出典:POLARIS GOVERNMENT & DEFENCE





MV850は跨座式シートを使用しており、乾燥重量は443.6キロで、77馬力のガソリンエンジンを使用している。最大速度は時速83キロだ。前部に91kg、後部ラックに181kgの貨物を登載でき、最大680.4 キロのトレーラーなどを牽引できる。ステアリングが電子式で操作性が高い。またタイアは自社開発したATV用のチューブレスタイアを採用している。これは側面から見るとハニカム構造になっており、これによって車体の重量を支え、またクッション性を確保している。同社によると12.7ミリ機銃弾を被弾しても走行が可能という。近年はこの種のハニカム構造のタイアの採用が増えている。









▲写真 アメリカ特殊作戦車で使用されているMRZR2 出典:ポラリス・ディフェンス・ビークル





MRZR2は並列複座式のATVで730.7キロ、88馬力のガソリンエンジンを使用している。前部に226.8キロ、後部カーゴスペースに453.6キロの貨物を登載できる。後部カーゴスペースには二名までのシートを装着することができる。最大680.4 キロのトレーラーなどを牽引できる。最大速度は時速96キロである。









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