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装輪ATVは空挺・島嶼防衛作戦に有用な21世紀の「ジープ」

Japan In-depth / 2021年6月19日 11時0分

▲写真 LT-ATV variant of the MRZR-4 出典:U.S. Army / Wikimedia Commons(Public domain)





MRZR4はこれの4名型で、重量が867.3キロで、後部のペイーロードは680.4キロとなっており、二人用シートまたはストレッチャーを2床登載できる。エンジンやコンポーネントは殆ど同じものを採用している。同社ではディーゼル・エンジンを搭載したレンジャー・ディーゼルなど、多くのモデルが開発されている。





英国のESP(Enhanced Protection Systems)UK社の軽量バギー、スプリンガーはアフガニスタンで使用するために戦時臨時採用として英陸軍用にLSV(Light Strike Vehicle)として09年に調達が決定された。スプリンガーはドライ・ウエイトが850キロで、1,400ccのディーゼル・エンジンを搭載している。乗員は1名ないし2名で後部の荷台には1.4トンの貨物が搭載でき、2.7トンの牽引力がある。ルーフにはIDE(即席爆弾)ジャマーが、助手席には7.62ミリ機銃のピントル・マウントが装備されている。









▲写真 英軍が戦時緊急調達したスプリンガー 撮影:筆者





英国防省は同様にUORとしてヤマハのATV、グリズリーとトレーラーを採用した。これはそれまで使用されていたホンダ450のリプ後継用で、421ccエンジンを搭載した民間用グリズリーATV(All  Terrain Vehicle)450IRSを改良したものに、ロジック社のSMT171bトレーラーを組み合わせたシステムだ。ヤマハUKとトレーラーのロジックUKが主契約で、ロッシュ、ブラットレイ・ダブルロックの両社がサブコントラクターとなった。これらは小隊・分隊レベルで、60ミリ迫撃砲や弾薬の運搬に使用される。09年に200セットが5万ポンド(約7.5億円)で発注された。









▲写真 ヤマハ・グリズリー450IRS 出典:YAMAHA





因みに民間用のATVは我が国のバイクメーカーである川崎重工やホンダ、ヤマハ、スズキなどがあり、海外では多く販売されているが、国内では道路運送車両法などの法規規制の関係から、殆ど普及していない。





ATVはエンジンやサスペンションなど、殆どのコンポーネントが世界の市場で入手可能である。このため町の自動車整備工場レベルの設備でも開発や生産が可能だ。このため途上国でも開発に乗り出している。また日本製を含めた民間用ATVに改造を施して軍用にすることも難しくない。





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