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装輪ATVは空挺・島嶼防衛作戦に有用な21世紀の「ジープ」

Japan In-depth / 2021年6月19日 11時0分

米海軍は特殊部隊用としてオスプレイ登載可能な、ボーイング社のファントムワークスがMSIディフェンス・ソリューションズ社と開発した戦闘支援車輌、ファントム・バジャーの試験を行っている。ファントム・バジャーはオスプレイ登載に特化した4×4車輌で、やや大きめだがATVのカテゴリーに入るだろう。サイズはオスプレイのカーゴスペースに一輌が丁度入るサイズで、240馬力の汎用燃料対応の民生エンジンを使用し、ペイーロードは1.36トン。最大速度は時速128キロで、航続距離は724キロ、旋回半径は7.62メートルである。座席後部はモジュラー式で、特殊部隊の偵察、野戦救急車、ウエポン・プラットフォームなどの任務に対応できる。多くの民生コンポーネントを使用してコストを下げている。









▲写真 米海軍によるボーイング・ファントム・バジャーのV-22オスプレイ搭載試験(2014年4月8日 米・セントルイス) 出典:BOEING





ATVは落下傘降下した空挺部隊の集合や重装備の回収、小型火砲や迫撃砲、各種の弾薬や食料などの運搬などにも威力を発揮する。特に南西諸島では舗装道路が少ないので、不整地走行能力が高いATVは非常に有用だろう。不整地踏破性が高いのでビーチやリーフなどでも、スタックする可能性が少ない。ただ、エンジンが水に浸かってもいいようにシールして、シュノーケルを装備する必要がある。





フランスの建設機械・車輌メーカーのUNACのRIDER(Rapid Intervention Droppable Equipment Raiders)はフランス陸軍に採用された空挺強襲用ATVだ。RIDERは全長2.60m、全幅1.60m、全高1.90mで最大戦闘重量は1.90t、輸送機からパラシュートによる空中投下が可能となっている。パワートレインは出力26kwのディーゼルエンジンで、最大550kgのトレーラーの牽引能力を持つ。武装は助手席のピントル・マウント及びロールバー上部に機銃を各1挺搭載できる。









▲写真 RIDER 撮影:筆者





水陸両用部隊にとっても同様に便利だ。車体が小さいので揚陸艇にも搭載し易いし、事実上のヘリ空母であるいずも級DDHなどからヘリで輸送するのも容易だ。戦時になればヘリの数はいくらあっても足りない。ことに大型ヘリは尚更だ。だがATVならば近い将来導入される予定の4トンクラスのUH-X(将来汎用ヘリ)でも懸吊空輸が可能だ。ヘリコプターの輸送力を有効に使うことができる。





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