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装輪ATVは空挺・島嶼防衛作戦に有用な21世紀の「ジープ」

Japan In-depth / 2021年6月19日 11時0分

またATVを自走迫撃砲にすることも可能だ。ATVの荷台に特殊作戦群が既に採用し、水陸両用戦闘団も採用する60ミリ迫撃砲をターンテーブルに搭載すれば容易に自走迫撃砲に転用できる。その場合牽引トレーラーに弾薬も搭載できるので、完全に自己完結したシステムになる。水陸両用戦闘団は3個普通科連隊を主力とし、各連隊には9門の60ミリ迫撃砲が配備される予定だ。だが人力に頼った場合、携行できる弾薬の量は極めて限られるし、迅速な陣地変換もできない。





ATVの自走迫撃砲を採用すれば水陸両用普通科連隊の火力を大きく向上させることが可能だ。ロシアのブレヴェスニクはATV(全地形対応車輌)に搭載する、口径82mmの2B24迫撃砲システムを2017年に発表している。2B24の射程距離は3-O-26 HE弾頭型の3V36砲弾で6km、3-O-12 HE弾頭型の3V12砲弾で4km、発射速度は毎分20発となっている。









▲写真 ロシアのブレヴェスニクはATV(全地形対応車輌)に搭載する、口径82mmの2B24迫撃砲システム 撮影:筆者





6×6のATVは最大速度は80km/h、最大航続距離は200kmで、砲弾搭載量は3V36砲弾で36発、3V12砲弾で36発となっている。近年西側諸国では小口径迫撃砲の運用にATVを使用する傾向があり、本システムはそのトレンドに沿った製品といえるだろう。





ATVには装甲車も登場している。イスラエルのカーモア・インテグレィテッド・ビークル・ソリューションのマンティスは、4×4のATV装甲車だ。全長5.0m、全幅2.3m、全高2.2m、最大戦闘重量6~8tと発表されている。戦闘重量6tの場合の防御力は、NATOの共通防御規格「STANAG4569」で車体の全周がレベル3、耐地雷防御がレベル1.7tの場合は全周防御がレベル3で耐地雷防御がレベル2.8tの場合は全周防御がレベル4で、耐地雷防御がレベル2a/3bとされている。また車体の形状に合わせて凹凸をつけた軽量のカモフラージュ素材も用意されている。









▲写真 マンティス 撮影:筆者





操縦席は車体中央にレイアウトされ、3方が防弾ガラスに囲まれており、極めて良好な視界を確保している。その後ろ左右に2つタンデムのシートがレイアウトされ、計5名が搭乗できる。乗員は座席レイアウトによって最大9名まで拡張できる。車内容積は6㎥で、後部に貨物を搭載できるピックアップ型とオープントップ型も提案されている。





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