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Windows11にアップグレードできない理由「セキュリティ強化」は本当?

Japan In-depth / 2021年7月14日 23時0分

この先、スマホのAndroidアプリをWindows11上で動作させることができるモジュールが追加されるなどの変更はあるが、基本的にはWindows10が動くパソコンならWindows11は動作すると考えてよいだろう。テクニカルライターの塩田紳二氏の言葉を借用するなら、「Windows11のアップグレード条件とは、マイクロソフトが決めた『原則』に合うか合わないかで決められるもので、動く・動かないという技術的な条件ではない」からである。ユーザーインターフェース(UI)などが大幅変更されるものの、Windows11は「10」の改良版というのが実態だ。









▲写真 現在2億台以上のデバイスに搭載されているWindows10(2015年7月30日ニューヨーク) 出典:Photo by Richard Levine/Corbis via Getty Images





■ セキュリティ強化と言うが





Windows11が「10」に毛が生えたようなものであるとするなら、なぜマイクロソフトはまだまだ使える機種を「アップグレードできない」として弾いてしまうのだろうか。前述のとおり、同社の説明は「セキュリティ、信頼性、互換性の強化」である。だが、この言い分は整合性がとれていない部分が多い。





まず、一定数の旧型機を排除しても、それらが即座にセキュリティのより堅固なWindows11搭載の新型機に買い替えられるとは限らない。すぐに新型機に置き換えられない以上、旧型の機種が、そのまま残る事実は変わらない。





加えて、より新しいモデルへの買い替えでセキュリティが有意に向上するとのエビデンスもない。たとえば、中小企業向けITソリューションを手掛ける米Techaisleが2018年8月にマイクロソフトおよびインテルと共同でわが国において行った「日本のSMBのPC利用環境に関する調査」によれば、回答者355社の内16%が「過去1年にパソコンのセキュリティ侵害やデータ盗難に見舞われた」と報告している。





ところが内訳を見ると、購入後4年未満の新型機と購入後4年以上の旧型機において、「ウイルス、マルウェア、スパイウェアの感染」「セキュリティ侵害・データの盗難」に有意差が見られない(19ページ)。翻って、「起動や反応が遅い」「バッテリーの消耗が速い」など生産性・パフォーマンス面で大きな有意差が見られるが、これは当たり前すぎる話であり、マイクロソフトが主張する新旧型機のセキュリティ面での差ではない。





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