自民党総裁選候補者討論会 基礎年金、原発ゼロなどで火花
Japan In-depth / 2021年9月19日 13時0分
高市氏: 現在、政府内で厚生年金や国民年金、共済、それらをトータルで考えながら、年金のあり方、負担のあり方を見直そうと考えていると聞いております。こういった方法が現実的であると思いますし、全く一円も負担をせずに基礎年金部分を全部税金で賄うというのは制度的に無理があるんじゃないかと私は考えております。年金制度の仕組みそのものについて大きな歪みが出てしまうのではないかと考えております。
続いて河野氏の質問順となり、河野氏が同じく基礎年金の税方式化について、高市氏に質問をし、反論した。
河野氏: 今の基礎年金は保険料で運営をしていますが、保険料が払えないくらい所得が低い人は免除ができます。しかし免除になって保険料未納にすればその分はもらえず、税金分しかもらえませんから、2分の1になってしまいます。ただでさえ少ない基礎年金の金額がどんどん減ります。最低保障年金でありながらも、最低保証することが事実上、構造的にはできません。そういう方は結局生活保護をもらうことになってしまいます。年金の制度の中ではいいのかもしれませんが、トータルで考えればそこで税金が使われる。また今の基礎年金は、2000万円の歳費をもらっている国会議員も、アルバイトで生計を立てている人も同じ保険料です。これはあまりにも不公平なんじゃないでしょうか。やはり最低保証は税金でやらなければ、制度として成り立たないのではないでしょうか。
高市氏: 私は、生活保護制度というのはとても重要なものだと思います。どうしても生活が成り立たないという時に、もう少し堂々と受けられる。こういった形を作っていきたいと思います。今それが受けにくい環境というのがございますので、そういった要件を外していくということで、よろしいんではないかと思います。ただ年金制度というのは、運用も行われています。今株価も非常に高く、株価が上がることによって財源も増えていく。そうしてお互いに助け合いながら、将来に備えながら、ということで現在いらっしゃる方が負担をし、上の世代を支えるという形で様々な保険制度が成り立ってきております。もし全額税金という形になると、どこで縛るのか、どこで線を引くのか非常に難しい問題があるのと、国民負担が増えていくと思います。
河野氏: これまで厚生省の年金局は年金制度を維持しようとしてきましたが、しかし維持すべきは年金制度ではなくて、将来の年金生活を若い人、あるいは次の世代の人たちの年金生活が維持されなければなんの意味もないんです。今のように保険料でやりますといって保険料の納付率を上げるために、どんどん免除をしてしまえば、基礎年金の将来のもらえる金額は減ります。構造的に保険料では最低保証の年金が出せないというのは明らかです。だからこそ、これだけの高齢者世帯が生活保護をもらうことになっています。同じことならば、むしろ生活保護の方がお金がいいからそっちの方がいいんではないか。完全なモラルハザードになっています。きちんと年金で最低レベルを保証する、そういう制度を考えた上で現役世代の所得を維持できる二階部分を作っていく、もう抜本的に年金制度の改革を今やらなければ、若い世代の人たちの将来の年金生活が維持できません。
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