1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

自民党総裁選候補者討論会 基礎年金、原発ゼロなどで火花

Japan In-depth / 2021年9月19日 13時0分

河野氏: 今の原子力発電の最大の問題は、核のゴミの処理が決まっていないことです。使用済み核燃料プールが再稼働すると早い時期にいっぱいになってしまい、原子力発電所が止まってしまいます。今までは青森県の再処理工場の原材料プールに移動することで使用済み核燃料プールがいっぱいになるのを防いできましたが、再処理をしてプルトニウムが出てきても、その使い道が今なかなかありません。本来は高速増殖炉でそれを燃やすというのが、この何十年来の計画でしたけれど、高速増殖炉もんじゅが既に廃炉になりました。MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)という使い道があるのかもしれませんが、今のMOX燃料はヨーロッパにある日本のプルトニウムを使って生産されています。したがって、青森県で再処理工場を起動しても使い道がありません。六ヶ所村や青森県には、色々とご協力をいただいておりますから、その地域のご理解をいただいた上で、今後のことを決めていかなければならない時期にきているんだろうと思います





岸田氏: 使用済み核燃料の問題がある、これはその通りです。ただ核燃サイクル止めてしまうと、核燃サイクルによって除去される高レベルの核廃棄物、これがそのままということになってしまいます。再処理をしますと、廃棄物の処理期間は300年と言われています。一方で高レベルの核廃棄物を直接処理すると、10万年かかると言われています。この処理の問題をどう考えるのか。さらにいうと核燃サイクルを止めてしまいますと、プルトニウムがどんどんと積み上がってしまう。これは日米原子力協定を始め、日本の外交問題にも発展する恐れがあります。このように、核燃サイクルを止めるとなりますと別の問題が随分出てしまうのではないかなと私は思います。





高市氏、野田氏、岸田氏が、それぞれ「原発ゼロ」政策を兼ねて主張していた河野氏のエネルギー政策を質したが、河野氏は、耐用年数が過ぎた原発から廃炉にしていき、いずれ原発はゼロになる、それまでに再生可能エネルギーを増やしていくと繰り返した。河野氏が、再処理後の使い道がないとして否定的な見解を示した「核燃料サイクル」について、岸田氏はその見直しが新たな問題を生む懸念を指摘したが、これについても深い議論はなされなかった。

河野氏の主張する「核燃サイクル」見直しにしろ「基礎年金の税方式化」にしろ、従来の自民党政権の政策を大きく転換するものだ。他候補との違いを前面に打ち出す狙いだろうが、国会議員票にどのような影響を与えるか、未知数だ。

また本稿では触れてないが、外交安全保障面での質問が、河野・岸田両氏に集中したことに、公平性を欠いている、との批判が出ている。高市氏、野田氏にも同様な質問はすべきだった。また、本討論会はオンライン配信となったことで、視聴している記者はzoom上に投稿するよう求められていたが、その読み上げは無かった。今後、同様な企画に反映させることを要望する。





(了)





トップ写真:討論会開始前の撮影 出典:自民党




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください