自民党総裁選候補者討論会 基礎年金、原発ゼロなどで火花
Japan In-depth / 2021年9月19日 13時0分
野田氏: 河野さんが首相になったら速やかに原発が止まってなくなってっていう印象を国民の多くは持っていたと思うんです。しかし最近はそこから、随分修正がされたのかなと思うんですね。それは結構なことだと思うんです。なぜかというと私は人工呼吸器を使っている息子を持つ身として、電力に関しては安定供給を保証できないことはあってはならないと考えています。そこについて、今どうお考えなのか。総理になったら「原発ゼロ」を実行してしまうのか。それについて聞かせてください。
河野氏: 私が言っている脱原発は耐用年数がきたものは速やかに廃炉になる、緩やかに原子力から離脱していくことになると言っていることだけでありまして、それ以外のことではありません。ですから先ほどご説明した、化石燃料をまず止めなければいけない、省エネと再生可能エネルギーを増やしていって、足らざるところは原子力で補うけども、この原子力の耐用年数の間に、再生可能エネルギーを増やしていかないといけないということをずっと申し上げております。以前北海道の胆振で地震があった時に北海道が停電になりました。あれは大きな発電所に依存をして、そこに問題があった時に大きな停電になった。つまり大きな発電所に依存をしていたら安定供給ができるかと言ったらそんなことはないんです。再生可能エネルギーのように、広く、拡散した発電能力を持っていることが、いざという時の安定供給にも強いということが言えるだろうと思います。
野田氏: 私はエネルギーというのは安定供給を前提にして、時代にあるものをしっかりと形にはめていくことが必要だと思います。その中で私のライフワークである地熱発電というのはこれまでなかなか注目してもらえませんでしたが、ここのところようやく、河野さんのおかげか、経産省の積極的な動きが見えてきています。地熱は埋蔵量世界で3位ですが、自分の国にあるそのエネルギーが、なぜか色々と理由をつけられて進んで来なかった。こういうのをぜひ進めていければと思います。
ここまで野田氏の質問に答えた河野氏は、続く質問順で野田氏のエネルギー政策について逆質問を行い、自身のエネルギー政策をより鮮明にした。
河野氏: これまで再生可能エネルギーを増やすことができなかったのは、原子力発電に重きをおこうという力が働いていたからというのがあります。例えば、九州は再生可能エネルギーの出力抑制が行われていますが、実際は九州管内にある石炭を止めて、再生可能エネルギーを利用すれば、それはしなくて済む。しかし残念ながら、昔ながらのルールが適用されて出力抑制が行われているというのが現実です。今回のエネルギー基本計画のなかで、再生可能エネルギー最優先という原則が打ち立てられて、地熱発電についても、国立公園、国定公園の中でも一定のルールのもとで開発できることになりました。野田さんがおっしゃるように、地熱のポテンシャルはアメリカ、インドネシアについで、世界第3位です。そういうことを踏まえて、野田さんは将来も原子力に頼っていく方がいいと思っているのでしょうか。
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