衆院選総括「立憲民主党は国民が野党に期待する役割を果たしていなかった」元国民民主党・衆議院議員菅野志桜里氏【Japan In-depthチャンネル】
Japan In-depth / 2021年11月16日 0時0分
その上で菅野氏は、躍進を見せた日本維新の会と国民民主党の安全保障政策に触れ、「この二党は国民から見ると、リアリティのある提案をしていると評価をされたんだと思う」と述べ、両党の現実的な安全政策が一定の評価を得たとの認識を示した。
■ 維新と国民の連携の可能性
菅野氏は、日本維新の会と国民民主党が、複数の政策で一致点を見出すことができるとして、今後連携を強化していく可能性に触れた。
「国民民主は中道第三極的な立ち位置を政策で示すのは上手だが、政治的行動で表すのは苦手だった。野党共闘の枠組み、あるいはその国会運営の枠組みにおいて独自色を示すのが遅かった。一方維新は、我々は第三極である、という雰囲気を政治的な行動で示すのはすごく上手だった」
「政策面での表現が得意な国民民主と、政治的行動で自分の立ち位置を明らかにしていく維新。この二つのグループが連携を強めていくことができるのか、そうじゃないのか。どうあるべきなのかということを私も丁寧に見ていきたい」
ただ菅野氏は、「第三極の立ち位置だけで一緒になるというのは続かないと思う。第三極としてどこを目指すのかが、本質的に一致しないと、国民はそれを感じる」として、両党の合流については慎重な見解を示した。
その上で菅野氏は、今の日本に求められている第三極の方向性は、「いわゆるオールドリベラル的、左翼的なリベラルではなく、国民の個人としての自由や強さを大事にして、一方で国家や権力に対しては健全な警戒心を持つという意味でのリベラル、自由主義」であると指摘した。
そうした立場に軸足を置くことができるなら、長年政権与党、権力に留まる自民党との視点の違いを明確に打ち出すことができ、オルタナティブな政権の受け皿になりうるのではないかとの考えを示した。
■ 「国民の政治を見る目」の変化
さらに菅野氏は、今回の選挙結果と自身が初当選した2009年の衆院選以降の政治を振り返りながら、「国民の政治を見る目が肥えてきた」という認識を強調した。
「今回維新が伸びたことをもって、国民の(政治を)見る目はあるのかという発信が一部から出ていますが、全然違うと感じている」
「(菅野氏が初当選した2009年衆院選以降)国民は政権交代を経験した。そして橋下徹さんや小池百合子さんなど、いわゆるヒーロー、ヒロイン待望論が生み出した政治家の登場も経験した。そしてまた自民党に戻った時にどういう政治になるかも今見ている。それまではずっと55年体制の延長線上で、政局の組み替えや政治の動きが国民に見えなかった中で、凝縮してこの十数年、国民は経験していると思う」
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