衆院選総括「立憲民主党は国民が野党に期待する役割を果たしていなかった」元国民民主党・衆議院議員菅野志桜里氏【Japan In-depthチャンネル】
Japan In-depth / 2021年11月16日 0時0分
また菅野氏は、「特に予算委員会などテレビ中継のある会では、国対委員長が(国会で)誰が質問するか、何を質問するか」をほとんど決めており、それによって国会のテレビ中継の中で「いつも同じ人が基本的にスキャンダルを中心に質問するような状況が生まれている」ことを明かした。そして、国対政治の弊害がここにも現れていることを以下のように強調した。
「なぜ野党はスキャンダルばかり質問するのかとよく聞かれる。私は、本当はスキャンダルばかり質問してません、ちゃんと政策の前向きな質問もしてますと(お伝えしている)。ただ、いわゆる予算委員会でテレビ中継の場面だと、国対の指導でスキャンダルの話になってしまう。スキャンダルの質問をしない議員は質問のチャンスが極めて少ない。ここに問題がある」
■ SNSが普及したいま、野党議員に求められる役割とは
菅野氏が指摘するように、「野党はスキャンダルばかり」という印象は多くの国民に広がっているように思われる一方で、今回の衆院選ではそうしたスキャンダルの追及を積極的に行ってきた有力議員が議席を失う光景も見られた。こうした結果は、野党の戦略や野党議員の意識にどのように影響するのだろうか。
菅野氏は、「これまで国会議員は、質問に立ってテレビに映ってその姿を見せるチャンスが多ければ多いほど、票になるんだというおごりがあった」ことを指摘し、「若手の議員を含めて、そのチャンスを得るためにスキャンダルもやらざるを得なかったところがあったと思うが、(衆院選の結果を受け)これからは議員の意識も変わると思います」と述べた。
また、SNSの普及と共に様々な形態での情報発信が可能になった今、政治家はそうしたツールを使い日常的に様々な情報を発信したり、報道機関のインタビューに積極的に応じたりすべきではないかとの指摘に菅野氏は同意し、SNSは「政治家の役割を多様化したし、もっというと野党にとってすごく有利なツールではないか」との認識を示した。
菅野氏は、今年7月頃に波紋を呼んだ、酒類提供店に対して金融機関などから圧力をかけるよう要請する文書について自身が行った質問などを例に挙げて、SNSが議員の活動を多様にしていることを指摘した。
「あの件に関しては、そういう文書がありますと教えてくれたのもSNS。私自身もそれはおかしいんじゃないかと(SNSで)発信しただけで、一定の影響を与えることができました」
「(SNSでの発信を受けて)私が質問に立つ前に政府がこの文書を取り下げましたが、今度またSNSで国はやめても都や県に残っていますと来たから、その翌日、当時の西村経済再生担当大臣に質問したら、その日の夜には(菅野氏の選挙区の)愛知県を含めて、これは国に言われてやらざるを得なかったのでやめますということになりました」
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