「異論も含め、まとめ上げていくのが仕事」自民党高市早苗政調会長
Japan In-depth / 2022年1月13日 11時51分
今回の臨時国会では、「内容はいいんだよ、タイミングの問題なんだよ」と茂木幹事長がおっしゃっていた。恐らくあの頃はまだ政府は、北京五輪の外交的ボイコットを表明していなかったので、そうおっしゃっていたのかなと思うが、今は「政府高官を送らない」ということになったので、タイミングの問題はなくなったと考えている。通常国会では出せるように幹事長に改めてお願いしてみるつもりだ。
■ 安全保障について
安倍:敵基地攻撃能力やミサイル防衛について、党としてはどのような姿勢なのか。
高市:令和4年度の予算案には「レールガン」の研究開発予算が盛り込まれており、これは歓迎している。他にも電磁波を使った無力化に向けた対策も盛り込まれておりこれも非常に良いことだと思う。
自民党の政権公約には、『相手領域内で弾道ミサイル等を阻止する能力を保持する』という書き方をした。敵基地攻撃と書くと、こちらから先制攻撃でミサイルを打ち込むようなイメージを持たれるが、これはあくまでも相手領域内でミサイルなどを阻止する能力だ。イコール無力化で、要は相手の指揮統制機能を早く無力化した方が勝ちだと私は思っている。
残念ながら今の日本の情報収集能力では一発目は確実に着弾する。対空防衛で防ぐことはできない。特に極超音速兵器になると、今のところ100%防衛はできない。
なので、既に一発目を撃たれた後の話、日米共同で情報収集ができた場合に、その兆候があった時にいかに早く相手を無力化するかだが、基本的に「衛星妨害」はやるべきだと思う。あとはやはり「ジャミング」、電磁波技術を使って相手の通信や電波の利用を無力化する。この辺りに力を入れていきたいと思っている。
そのためには日本の宇宙開発の民生技術をいかに活用できるか、スピンオン(注:Spin-on 民生技術の軍事転用)できるかというところにかかってくる。ロボットアームでの細かい試料の採取など、日本の民間宇宙技術というのは非常に優れたものがあるので、敵性衛星を無力化することを考えると、そういった民生技術を何とか活用できるようにしていかなければならない。
ただ、今、なかなか民間技術のスピンオンについては慎重な考え方が多いので、ここをどう説得していくかは考えていかなくてはならない。
【取材を終えて】
インタビューは昨年総裁選前の8月以来だったが、高市氏の主張は全くブレていなかった。政調会長就任後、新聞記事には、岸田氏vs高市氏などと党と官邸の対立を煽るようなものも散見されるが、高市氏は意気軒昂で、仕事への意欲は満々といった感じを受けた。
基本的に党と内閣の緊張関係はあってしかるべきだし、党として組織決定したなら内閣に物申していくのは当然のこと。安全保障、成長戦略、人権政策、党としての意見をどんどんまとめ上げ、情報発信していくことが高市氏に求められる。それがその先に繋がっていくだろう。参院選はその一里塚に過ぎない。
(インタビューは2022年1月7日に実施)
(了)
写真)ⒸJapan In-depth編集部
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